にせトリッパ

トリッパとは、4つある牛の第2胃のこと。ハチノスと呼ばれることもあるが、これは、トリッパの代わりに卵の薄焼きを使ったものだ。

生の牛のトリッパの下処理は実に面倒くさい。汚い薄皮がこびりついている上に、胃なので当然ゲロの匂いがする。それを除くために、手間や時間がかかり、コツも必要だ。以前一度だけ試してみたが、苦労した挙げ句に、やっぱり臭いという散々な仕上がりで、二度とやらないと誓ったものだ。どこかのリストランテで食べるのが一番だが、手間がかかるので安くは出せないだろうし、そういうものを食べ来る客がいるような店はそこそこの値段になってしまうだろう。イタリアなどではどうやら下処理したものを売ってるらしい。

偽とはいうものの、番茄炒蛋(ファンチェチャオダン)とか、 西紅柿炒鶏蛋(シーホンシーチャオジーダン)と呼ばれる中国の家庭料理に近いので、内蔵肉ならではの濃い旨味はないものの、別の料理として間違いなくうまい。特に動画のように卵にしっかり焦げ目を付けてやると、ソースとからんで香ばしさが際立つ。世に名高い、アミノ・カルボニル反応というやつである。

ついでながら番茄炒蛋は中国で一番ポピュラーな家庭料理である。材料が安くて簡単にでき、嫌いな人の少ない旨さがある。日本でも家庭料理にぴったりなので、知らないという人は覚えておくと便利だ。その番茄炒蛋の作り方は以下のとおり。

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