クリエイティブ・ブラックブック

その昔、Creative Blackbookという本が発行されていた。アメリカの広告業界で活躍するアートディレクター、グラフィックデザイナー、イラストレーター、フォトグラファーの、その年の代表作を選んで1人1ページで紹介する年鑑で、すぐ仕事につながるように電話番号も掲載していた。(Bleckbookは「電話帳のこと」)

若い頃、なんとなく眺めるのが好きで毎年取り寄せていたが、ある時デザイナーに見せたらそのまま戻って来なくなった。当時のデザイン事務所は一人ずつ大きめの製図台が与えられ、壁際には日本のデザイン年鑑や写真集が並ぶのが一般的だったが、このブラックブックだけは、一人が独占してはいけないというルールのもとで、全デザイナーから均等な場所にあるテーブルの上に置かれていた。
今では信じられないことに、その頃は社会全体に「情報収集力が仕事の勝敗を決める」という概念が乏しく、グラフィック・デザインは師匠に習ったことを守りつつ新しいものを考え出す職人仕事だった。海外の情報は乏しく、世界のトレンドは現地と往復で活躍するような人がまず作品として紹介し、その後に広まるので、最新スタイルを目にするのは数年後ということもあった。それがほぼ1年以内にわかるのだから、手放すようではデザイナーといえなかったし、返してくれとはとても言えなかった。

そんなことを思い出したので調べて見ると、この本は90年代で廃刊になったらしい。だが、クリエイティブワークのトレンド紹介は需要があるはずだと思って調べると、youtubeにそれらしいのがあった。
2026年グラフィックトレンド12選
https://www.youtube.com/watch?v=NtZemvF9bj0

2026年に知っておくべきグラフィックデザインのトレンド
https://www.youtube.com/watch?v=OcOQQlfDVsI

2026 年のグラフィック デザインのトレンドと実際の活用方法
https://www.youtube.com/watch?v=yHs9-RVTwsA

これらによれば、レトロフューチャーのように過去のデザインスタイルをヒントに、AI製でないことをはっきりわからせるものが多い。そんな中でOpenAIの動画生成用「SORA」の提供中止など先行き不安な部分もあるが、AIを積極的に活用した今までないスタイルは、まだ生まれてないように思える。そのへんが今後の注目点かも知れない。

2 thoughts on “クリエイティブ・ブラックブック

  • 4月 7, 2026 at 07:58
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    私は手描き時代のグラフイックデザイナーでしたから、当時の丸善書店で関連洋書を探していました。中でもグラフイース・アニュアルと言う年鑑が大好きでしたから当時2万円余でしたか,惜しみもなく自腹で購入していました。印刷はスイスでしたね。今でも記念に2冊残って居ます。驚いた事に、何と名前だけ聞いていた北海道のデザイナー2名の作品も紹介されていて、その内の一人に直ぐに会いに行きました。彼も亡くなりましたが独特の描写をする所謂イラストレーターでしたね。外国のポスターなどのデザインは意外性もあって為になりました。当時は重いのにそんな資料や一眼レフカメラを仕事先に毎日鞄に入れて通っていた記憶があります。パソコンで作業する様になるなどとは想像すらできなかった時代ですね。しかし、パソコンの普及は急激でしたね。友人のフリーランス・デザイナーが秋葉原で90万もするマックを入手したと言うので自宅まで見に行きました。その後 iーMacやウインドウズなど何台か購入も遊び半分でした。誰にも教わらずに苦労しましたが2年ほどでマスターして何とか仕事に活用出来ましたね。その後はグラフイックやコピー年鑑など購入しなくなりました。ネットで見れますからね。

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    • 4月 7, 2026 at 12:02
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      PCが登場した頃は、顧客と数字で渡り合えるよう導入を勧めましたが、MACが普及した頃は、逆に紙と鉛筆でやれていた仕事に一人あたり100万もの設備投資はよく考えてからと言ったんですが、ことごとく逆を行きましたね。なので設備投資で倒産した事務所もありました。さらに業者がセットしたMACを見ると、LANの途中に意味のない装置が入っていてそれも費用に含まれていたり、ユーザーが勝手に周辺を増やせないようLANのポートが塞いであったり、インターネットにうつつを抜かさなように見られない設定がしてあったりしました。そういうのを片っ端から外してまわるのが一種の趣味でした。

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