タイトル画像の話 /

技術的には実に単純だが、ところどころ折れた平面に実際の光があたった影のつき具合などは、3DCGの得意技だ。また、最近は何かと生成AIと引き比べるのだが、AIは文字に弱いような気がする。風景の中の看板など、画面の一部になった文字が化けていることが多いのは、文字の形態と意味の関係がよくわかっていないからではないだろうか。例えば歓楽街の絵を描かせると、サンプルの多い「BAR」という酒場の看板の文字は間違えないが、そのままBARをPOLICEに変えてくれと言っても、ありえない光景なのでうまくいかない、というように。

昭和のバブル期は、意外なようだが「シンプル・イズ・ベスト」の時代でもあった。豪華で高級なものが増えた反動のように、装飾性を削り取ったデザインがどことなく知的で新鮮に見えたのかもしれない。なので自分のような年寄は、こういうシンプルな絵柄をみるとなんとなく懐かしさを覚えてホッとする。シンプルという触れ込みの、手抜きデザインも多かったが。
近年はさまざまなデザイン分野で、装飾性が戻ってきた。装飾の多いものは単純に作るのが大変なのだが、多分デザイン・アプリや加工機械のIT化に後押しされているのだろう。

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