やらかしてしまった

大失敗をやらかしてしまった.まだ新しくてニスもピカピカのビオラが,傷物になってしまった.弦の高さを下げようと,ブリッジを削ったことがそもそもの始まりだ.削り終えたブリッジの固化のために亜麻仁油を塗っておいたのだが,これが完全に乾燥しないうちに設置してしまい,本体のニスを溶かしそのまま固まっていたのだ.今回,ブリッジを削ってさらに弦を低くしようと取り外したら,ちょうどブリッジの脚の着いたところが2箇所,ニスが剥がれて下地の木が出てしまった.
ビオラの傷亜麻仁油というのは非常に乾燥が遅く,完全に乾くまで一週間以上かかる.乾燥すると固く樹脂状に固まるのだが,今回は乾きが甘くてニスと一緒に固まってしまった.
ついでにブリッジをひっくり返して見ると,接触面が一部分で,いわばつま先立ちのように置いてあったことがわかった.置いた後,弦を巻き上げる力に引っ張られて,少し傾いてしまうらしい.(写真のブリッジの位置はおかしいが,弦を緩めすぎると中に立ててある魂柱がたおれるかもしれないのでそうしている)
ブリッジを削って低くしたおかげで,やや弾きやすくなったような気がする.また,それまで弾き始めに弓がかすったようになって音が出なかったことがあるが,ブリッジが傾かないよう気をつけて置いたので,その点は改善された.が,痛恨のきわみではある.悔い多き人生に,またひとつ後悔のネタが増えてしまった.

次回「タイムトンネル」(10/2公開予定)
乞うご期待!

 

 

スケールをやろう

scaleビオラを手に入れたのを機会に,あらためてスケールの練習をすることにした.スケールというのは,「ドレミファソラシド」のこと.からだけでなく,から始めて同じく「ドレミファソラシド」に聞こえるように音を出せば,それはのスケールだ.Dなのに「ド」はおかしいので,「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ、Ⅶ」で表す.

さて、左の図で白いダイヤがバイオリンの調律、黄色いダイヤがビオラの調律で,右側が高音,左側が低音になっている.第3弦(赤)の開放から順にスケールを押さえていくと,指で抑えるのは6箇所で、しかも「Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ」と「Ⅵ、Ⅶ、Ⅰ」は,お隣どうしの同じ場所.Dのスケールを1オクターブ分弾くのに,3箇所覚えるだけで良いのである.ここからいくつかを半音ずらせばマイナースケールに,さらにブルーススケールになる.

さらにジャズやポピュラー音楽でお馴染みのモードを知りたければ、Google Chromeの拡張機能に「SCALES and MODES QUICK REFERENCE」という大変に面白いツールがある.本当に良い時代になったものである.

 

scaleandmode
SCALES and MODES QUICK REFERENCE

スケールはアドリブの母だ.スケールを指で覚えてしまうと,まぐれでも、ときどきそれらしいフレーズが出てくる.言うなればでたらめだが、それらしい雰囲気のでたらめは、下手に楽譜通りに弾くよりずっと音楽らしい.

次回「やらかしてしまった」(9/24公開予定)
乞うご期待!

カテゴリー「Bluesへの道」

果たして今の実力は?

バイオリンをやってると言うと,今度聞かせてと言ってくれる人がいる.8割がた社交辞令だが,残りの人にも聴かせるつもりはない.素人芸を聞かされるほど苦痛なものはないから,築き上げた人間関係を壊しかねない.
でも、もし自分が大企業のトップだったら,有名ホールを貸し切り,オーケストラを雇い,社員と取引先を強制参加させてリサイタルを開きたいとは思う.それくらいの権力は振るって当然だと思う.もちろん高級弁当はつける.録画・録音一切なしなら,素晴らしい思い出だけが残るだろう.
そこまで考えて,弁当はどこ,プログラムの印刷はどことなると,しがらみがあってそんなことも自由に選べないことに気がつく.そう思うと,のんびりバイオリンを弾いてられるのも,権力者じゃないからこそなのだろう.

ともかく,自分の今の実力はいつでも気になる.以前紹介した,2年間の上達記録の動画と比べてみると,おそらくだが3カ月目くらいではないだろうか.調子のいい日に,何回も撮り直してノーミスの演奏を選び,できれば音楽編集ソフトでズルしまくれば,これくらいは行ってるのではないかと思う.ちょうどこの動画でも,ビブラートを入れ始めている.我流でしかもきちんと時間をかけてない自分としては,これで上出来だと思っているが,他の人なら1年以上やってれば,間違いなくもっとうまくなっているだろうと思う.特に最初の頃の絶望的な雑音の時期は,案外すぐ通りすぎてしまう.バイオリンには,そういうとっつきやすさがあると思う.

次回「スケールをやろう!」(9/20)公開予定
乞うご期待!