以前にも書いたが、中国は、ネットの使用履歴をもとに国民を格付けするシステムを本格的に可動させている。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/14-8_1.php
愉快なのは、記事中にある「10時間ネットゲームをする者は怠け者とみなす」という部分。せっかく大掛かりなシステムを使って細かな日常生活の情報まで集めながら、そこから傾向や法則を導き出すのではなく、えらいさんの頭の中で考えた分類に合わせて評価するらしい。もともとプライバシーだの人権だのには注意を払われない国なので、中国国民にとって今より悪いことが起きるとは限らない。
これまで中国の発展は世界経済を牽引する歓迎すべきものだったが、近年はこれ以上の発展はかえって迷惑となりかねない状況だった。それだけに上手に運用すれば、中国の潜在力を引き出す原動力になるかもしれないシステムには大注目だが、実際は経済や文化の足を引っ張ることになるようだ。まあ、いろいろと安心した。
ちなみにこのシステムが動き出せば、中国のサイトにアクセスする海外のネットユーザーも格付けできる。私も晴れて中国政府から貧乏人の称号を与えられるかもしれない。もっとも、最近のネットユーザーは中国サイトに接触しない、中国製のソフトや部品を使わない、中国に買収された企業のサービスを利用しないなど、かなり注意をしてるし、どうしても接触する際には、特殊なネットワークを通じることが一般化してきている。
さらに言えば、このシステムから外れる方法を提供すれば、管理をいやがる14億人もの市場が手に入るということだ。いろいろと穴だらけだが、ディストピア小説を読んでいるようで、今後の成り行きが楽しみで仕方がない。

