Honeysuckle Rose

Fats Waller (1904 – 1943)の作品。題名は「忍冬の花」という意味らしい。はじめて知った。

動画は、今まで出なかったエラ・フィッツジェラルドとカウント・ベイシーの豪華顔合わせ。その他にも、ジョー・パス、ロイ・エルドリッジ、ズート・シムズ、etc….と、超豪華だ。残念ながら画像が悪く、録音も良くないが、昔のジャズ喫茶もけっこうひどい音だったし、アメリカのクラブなどはろくにピアノの調律もしてない。そういう環境でも、心で聞くのがジャズなのだ。(ほんとかな?)

ともあれ、エラ・フィッツジェラルドはモダンジャズの楽器のスタイルに合わせて歌った、初めてシンガーである。エキサイティングなスキャットのアド・リブを味わってほしい。

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北海道大停電/高層マンションと水運びシミュレーション

北海道大停電の期間中、自宅マンションの水道が止まった。幸いためておいた水が無くなる前に停電は解除されたが、その際に考え、今も考え続けていることがある。万一さらに断水が続いて給水車などが来た場合の水運びの問題だ。

住人のなかにはそもそも水の詰まったポリタンクを持ち上げられない人もいるだろう。これは高齢者や女性に限らず、若くても病気の人もいるだろうし、たとえ屈強な若者でも、頑張りすぎが原因で腰を痛めたりすることもありうる。特に若くて体格のいい男性には、どうしても無言の期待が集まり、頑張ってしまうことになりがちだ。重量物の運搬はプロフェッショナルなスキルの必要な仕事で、そういう業界では入社と同時に研修を受け、たとえ床に落ちた1枚の紙を拾うにも、正しい姿勢と力加減ができるよう体に叩き込まれる。その経験がない業種の人間は、たとえ若いスポーツマンでも、いきなりの水運びは高いリスクを負うことになる。

そこで高層マンションの住人の労力とリスクが最小になるような、水運びの手法がないか考えている。ざっくりしたイメージでは、各階の住人が、部屋番号を書いたポリタンクを階段スペースに置く。エレベータが止まって階段を降りる人は、例えば自分の階の階段スペースに空のポリタンクがあれば、これを1階下まで下ろす。逆に昇る人は、自分の階の下に水の入ったタンクがあれば、これを1階分だけ上に運ぶ。極端に言えば、自宅のタンクさえ自分で運び切らずに、このシステムに乗せてしまうことで、みんなが1回の昇降につき、1階分だけタンクの上げ下げだけで済むようにならないかと思う。また、断水になったら、ためた水があろうとなからろうと、全戸が空のタンクを階段スペースに置く。これで、一種の生存確認ができる。なんとかそういう簡単なルールだけで、いつの間にか全タンクが満タンで所定の階に運ばれるようにならないかと考えている。
まだまだざっくりした話だが、こういうビジネスの関わらないことは、誰も真剣に考えてくれない。だから本当は、自分がもう少しだけプログラムができたら、簡単なシミュレーションを行えるのにとも思う。

英国でスターになった日本の植物 / ギボウシ

ギボウシという植物がある。

日本の古い家ではよく裏庭に植わっているので、名前を知らない方も、画像を見ればあああれかと分かると思う。日本や中国に自生していた日陰を好む植物であり、シーボルトによってヨーロッパにも紹介されている。日本ではそれほど珍しい植物ではないが、イギリスに伝わると大人気になった。

というのは花の形が騎士の象徴であるユリで、葉の形がハートだったので、合わせて「騎士道精神」という意味になったためである。もともと日陰を好む植物でイギリスの気候に合っていたこともあり、貴族の庭園に盛んに植えられ、品種改良も行われた。今では日本へも多くの新品種が里帰りしているという。

トイレの窓から見かける植物というイメージだったが、英国貴族の邸宅で、いわゆるイングリッシュ・ガーデンのスターに大出世とは、見る人が見て場所を得れば、日陰の身でも文字通りひと花咲かせることができるわけである。