CATS / 映画版

映画をミュージカルに、ミュージカルを映画に。珍しいことではないが、ついに史上最高の観客数を誇るミュージカル「キャッツ」が映画になるらしい。

とりあえずオフィシャルトレーラーでも

ミュージカル同様、演じるのは猫のコスプレをした人間。舞台となる室内や街頭は、猫のサイズに合わせて巨大化されている。超有名ミュージカルの映画化だけに、気合は十分だ。

キャストもなかなか豪華なようだ。歌手のテイラー・スウィフトの起用が話題らしいが、残念なことに私はあまり詳しくない。驚いたのは、老娼婦のグリザベラと伊達男のラムタムダガーが黒人俳優だったこと。また、オールド・デュトロノミーが、007シリーズで「M」を演じたジュディ・デンチ。つまり女性だ。貫禄は十分だが、ちょっと怖い気もする。劇場猫のガスは、指輪物語のガンダルフを演じたイアン・マッケラン。適役だが、80歳でグロールタイガーとの二役をやるのか?(黒人だから、女性だからどうのという意味ではないので、念のため。初期の四季の舞台のイメージが強かったので)
そもそも映画版は、ミュージカルのようなオムニバスかどうかもわからない。トレーラーでは白猫がメインになってるので、一貫したストーリーがあるのかもしれないが、オフィシャル・サイトにもまだキャスト紹介がなく、主役かどうかもわからない。

トレーラーは賛否両論真っ二つで、「理解が追いつかない」などの反応も。舞台を観た人なら、ほとんど違和感がないと思うのだが。 アメリカでは今年12月のクリスマス時期の公開なので、日本公開は来年だろう。四季劇場が2020年で閉鎖だそうだから、映画版に行ってみようか。

Bluesへの道

以前、マイナーとメジャーのブルース・ポジション表を作った。これを使って練習したせいか、最近はめきめきと...能書きだけは達者になった。

大人になってから楽器を始める人は、クラシックよりポピュラーを気軽に弾けるようになりたいという人が多いだろう。最初は簡単だがそれなりにかっこいい曲を練習し、徐々に難しい曲のレパートリーを増やしていく。そのうち聞いた曲をすぐ弾けるようになり、更にアドリブができれば御の字だ。そんなふうに考えている人は多いと思う。私もそう考えていたが、いくつか考え違いがあった。

まず、曲が簡単か難しいかは、ある程度上手くならないとわからない。プロが簡単に弾いているが、実は難しい曲もある。簡単な曲を簡単に弾くと、つまらない演奏になり、やる気が起こらなくなる。バイオリン初心者の練習曲「キラキラ星」はその典型だ。大の大人が人生の来し方を振り返って、思い入れたっぷりに熱演する、という曲ではない。ポピュラーやジャズをめざすバイオリン初心者には「テネシーワルツ」がよいようだ。

ただし、テネシーワルツの次にもう少し難しい曲、というふうに練習していっても、多分アドリブにはつながらない。アドリブがしたいなら、最初からアドリブをしなければならない。泳げるようになるには、まずはプールに入ること。ランニングと腕立て伏せだけ続けても、泳げるようにはならない。これに気がつくまで、多少時間と費用を費やしてしまった。

そしてアドリブができるようになるために、昔からブルースの練習から始めることになっている。アドリブのためにはコードの流れが頭に入ってなければならない。誰でも知ってるコードの流れは、小学校の集会で礼をする時のピアノだが、 よく知ってる曲でも、あれと同じようにコードだけ頭に思い浮かべるのは難しい。
その点、ブルースはどの曲も同じコードの構成になっていて、誰でもなんとなく流れが頭に入っている。もともとがコードをかき鳴らしながら、好き勝手な歌詞を歌い上げる音楽だったのだと思う。
ブルース・スケールの練習にあたって、海外のネットにはなかなか良いアドバイスがあった。

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Tea for Two

ヴィンセント・ユーマンス (1898-1946)の作品。1924年にミュージカル曲として発表され、1950年の同名の映画では、ドリス・ディが歌っている。今回は1958年のニューポート・ジャズフェスティバルでのアニタ・オディのステージである。

なんとなく見覚えのある映像だと思ったのだが、どうやら「真夏の夜のジャズ」というドキュメンタリー映画の一部らしい。ずいぶんと若い頃に観たはずなのだが、アニタ・オディについてははっきり記憶してなかった。生意気ざかりの頃だったので、エンターテインメント性がありすぎるように思ったのかもしれない。本編がレンタルにもあるようなので、あらためて観てみようと思う。

その昔は、ジャズメンの顔というのは、レコードジャケットかジャズ専門誌にちょっと写真が出ることがあるくらいで、よくわかっていなかった。Youtubeに古い映像が公開されている現在のほうが、よくわかっているくらいだ。だから、アニタ・オディはこんなに美女だったのか、と驚いた。
歌と美貌の二物を与えられたともいえるが、実はシンガーとして大きなハンデをおっていたらしい。幼少の頃の病気で、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)を切除したせいで、ロングトーンやビブラートが出なかった。そのせいか声はかなりのハスキーで、声量もそれほどない。そこでアニタは、音を短く区切り、「ホーンのように歌う」と言われた独自のスタイルを作り上げたという。
ともあれこの記事を書いたおかげで、ノドチンコは何のためにあるかという、子供時代からの謎が解明した。

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