ヴィンセント・ユーマンス (1898-1946)の作品。1924年にミュージカル曲として発表され、1950年の同名の映画では、ドリス・ディが歌っている。今回は1958年のニューポート・ジャズフェスティバルでのアニタ・オディのステージである。
なんとなく見覚えのある映像だと思ったのだが、どうやら「真夏の夜のジャズ」というドキュメンタリー映画の一部らしい。ずいぶんと若い頃に観たはずなのだが、アニタ・オディについてははっきり記憶してなかった。生意気ざかりの頃だったので、エンターテインメント性がありすぎるように思ったのかもしれない。本編がレンタルにもあるようなので、あらためて観てみようと思う。
その昔は、ジャズメンの顔というのは、レコードジャケットかジャズ専門誌にちょっと写真が出ることがあるくらいで、よくわかっていなかった。Youtubeに古い映像が公開されている現在のほうが、よくわかっているくらいだ。だから、アニタ・オディはこんなに美女だったのか、と驚いた。
歌と美貌の二物を与えられたともいえるが、実はシンガーとして大きなハンデをおっていたらしい。幼少の頃の病気で、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)を切除したせいで、ロングトーンやビブラートが出なかった。そのせいか声はかなりのハスキーで、声量もそれほどない。そこでアニタは、音を短く区切り、「ホーンのように歌う」と言われた独自のスタイルを作り上げたという。
ともあれこの記事を書いたおかげで、ノドチンコは何のためにあるかという、子供時代からの謎が解明した。