パシフィック・ウォー(2016年 米映画)

観ようかどうしようか、何度もレンタルショップで手にとってはやめた作品。太平洋戦争終戦直前の1945年、アメリカ海軍の重巡洋艦インディアナポリス号は、広島、長崎に投下予定の原爆の核燃料と部品を積み、B29爆撃機エノラ・ゲイ号の待つテニアン島に単独で向かう極秘任務についた。そして任務を果たした帰路、日本軍の潜水艦による魚雷攻撃で沈没した。救命ボートもなしに海に放り出された約900名の乗員は、サメに襲われながら5日間の漂流を続け、結局316名だけが救助された。このときの実話に基づいた作品である。重いテーマなので、仕上がりがチャチだと腹立たしいが、良すぎても凄惨さに打ちのめされるのではないか。そんな心配があったが、観てよかった。

物語は戦闘のシーンとサメと戦いながらの漂流、そして帰国後の軍事裁判という、トーンの全く異なる3つの部分からなるが、まるで3本の映画をみたような見ごたえがあった。太平洋戦争、神風や回天などの特攻、そして原爆など、アメリカ人にとっても日本人にとっても平静ではいられない素材を扱いながら、綺麗事やお涙頂戴に逃げたりいきり立ったりしないバランス感覚は、63歳という監督の円熟味の為せる技だろう。75年という年月が過ぎたからできた映画とも言える。

個人的には、日本の潜水艦長が、ちょっと薄汚れた小柄な人物だったところがお気に入りだ。日本人は、イケメン君や豪快な侍じゃなく、こういう風貌の人に立派な人が多いのである。また、敬礼シーンも良かった。単なる挨拶ではなく、敬意を示すものだから、どれほど地位が高くなっても、どんな相手でも敬礼には敬礼で返すという、意味を思い出した。

この映画には、いっそフィクションだったらもう少しハッピーエンドにできたのにと思うほど救いがない。が、そのわずかな救いのためだけでも、観る価値のある作品だ。(原題は「USS Indianapolis: Men of Courage」)

2020食事のおいしい市町村ランキング発表

2019年に比べ小樽と函館の順位が入れ替わったが、札幌1位、北海道がトップ3は変わらない。小樽は寿司が有名だが、最近はあんかけ焼きそばがブームだそうだ。へえ。知らなかったが、海の幸をふんだんに使ったあんかけ焼そばなら、さぞかし旨いだろうと思う。前回15位以内にいた帯広と旭川は順位を下げたようだが、前回20位の石狩市が14位。これはなかなか目の付け所がいいと思う。

ただし住民としては、札幌市の1位はやはりピンとこない。全国のどこのスーパーでも売ってるものを食べてるのだが...。むしろ毎年トップ3の直下に付けてくる喜多方市はどれだけすごいんだろうと思う。個人的にはさぬき市が気になる。北海道から見ると四国は縁の薄い土地で、行ったことのある人は少ないが、行った道民はなぜかその魅力に取り憑かれる。海山の幸で驚きもしない道民が、なぜか四国の料理はどれもおいしく、うどんなら毎日でもいいくらいだと口を揃えて言う。自然も名所旧跡も、他のどの地域よりもエキゾチックに感じるというのだ。少しずつだが、周囲にそう言う者が増えるので、なにか放置できない気になる。道民キラー、トップ3も一目置く影の総番長である。

そしてやはりコロナである。先日北海道の感染が最大というニュースがあり、感染の波が来るにしてもなぜ東京ではなく北海道からと思ったが納得である。特別定額給付金を受け取り、GOTOまでお膳立てされ、こういうランキングがあるとなれば当然だ。これまでの飲食業のがんばりを思えば、コロナはくるなとも言えないが、ススキノは全国のコロナの吹き溜まりになってしまう。

今はとにかく我慢だが、来年、ワクチンが行き渡り終息宣言を出すと同時に、再度の交付金とGOTOを実施するのはどうだろう。オリンピックどころじゃない、国民総出のお祭り騒ぎで、それまでの経済不振も一気に反転する。そのときは喜多方市へでも行ってみようか。

パーカー・ソーラー・プローブが5回めの接近の観測データを公開

パーカー・ソーラー・プローブは、今年実施された5回めの観測データを公開した。公開は、NASAの宇宙物理データ施設 (SPDF)と ソーラーデータ分析センター(SDAC)、  APLパーカーソーラープローブゲートウェイ、および4つの科学調査チーム(カリフォルニア大学バークレー校プリンストン大学)の科学オペレーションセンター  大学ハーバード-スミソニアン天体物理学センター;および 海軍研究所からアクセスできる。

また、今年6回目の観測では、初めてサングレーザー彗星を観測した。サングレーザー彗星は太陽の極めて近くまで接近する彗星の通称で、熱で蒸発したり強大な潮汐力で分解されずに残るものは珍しい。これらのデータは来年1月に公開される予定である。このほか2021年は、地上の各国の天文台などと連携した観測が予定されており、大きな成果が期待されている。