大手のハッカー集団が、ロシア航空の全データとそのバックアップを削除したという。痛快でもあるが人命にも関わるものでもある。が、数年前からお互いに同様の攻撃が繰り返されているので、今さら驚きはない。おそらく公共施設や交通期間等へのネット攻撃は、大量破壊兵器同様、近い将来国際条約で制限されるのではないかと思うが、今はおとがめなしだ。もしかすると、原爆投下の報を聞いたアメリカ人も同様だったのかもしれない。いずれもその時点では非合法ではなく、また何を思おうとモラル的な問題もない。ちょっともやもやするが。
さて、現実的には、報復を覚悟しなければならないだろう。どんなに自分が無関係だと言おうと、”西側”国に暮らして”西側”のソフトウェアを使っていれば、攻撃者から見れば敵だ。厳密に言えば大手企業への攻撃と我々に対するものは、手法が大分違うようだが、当初の作戦が失敗すれば幼稚園でもなんでも手当たりしだいに砲撃するくらいだから、我々もあらゆる自衛が必要だ。
ウィルスというと、どうしてもコロナとの類似を考えてしまう。PCにウィルス対策ソフトやファイアーウォールのインストールはワクチンのようなものだし、不審なメールの添付ファイルを開かないのはマスクの着用、書類の送付にはメール添付ではなくストレージサービスを利用するのは、三密回避など交際のマナーに似ている。となると、クラスター対策のような、公的な取り組みがあってもいいだろう。感染が疑われるときは、公共のスキャンサービスで検査し、感染したPC内にある他のアドレスにも濃厚接触の警告を送る。大手の工場や事務所がこうたびたび業務を止めているようでは、国家レベルでの経済的な損失だ。技術的、プライバシー的に問題はあるかもしれないが、コロナワクチン同様、希望者の利用だけでもいいのではないだろうか。
※内閣サイバーセキュリティセンターによる、「インターネットの安全・安心ハンドブック」へのリンクを設置したので、ご一読を。なんとなく知ってるというのと、実際に読んでみるのとはけっこう違うものだ。(※ウクライナカラーになるように並べてみた)