12 月 6 日、NASA のパーカー ソーラー プローブは14回目の太陽への接近の14回目を開始し、太陽面から 530 万マイル以内に接近した。最接近は12 月 11 日午前 8 時 16 分 (EST)で、宇宙船は時速 364,639 マイルの速度で移動する。これは、ニューヨーク・東京間を 1 分強で飛行速さである。
パーカー・ソーラー・プローブのスタート時は太陽の活動縮小期だったが、今後は活発期に入る。これまでとは違う太陽の情報が期待されている。
とりわけ今回の最接近は、地球と同じ側で起こるので、地球からも宇宙船と同じ太陽表面を観測できる。
Month: 12月 2022
私の練習曲/Fly Me to the Moon
楽器の上達具合は、選んだ練習曲によってかなり違うように思える。効果的な練習曲選びのポイントは、まず、自分の好きな曲かどうかだろう。好きなプレイヤーの好きな曲は、メロディや装飾音まで頭に入っているので、楽譜に釘付けにならずにすむ。また、難易度というのは案外分かりづらいもので、楽譜がそれほど音符で混み合ってなくても、妙に雰囲気がつかみづらかったり、指使いがアクロバットなものもある。逆に言うと、好きな曲なら多少ややこしそうでも、チャレンジしてみる価値がある。
動画サイトなどで、良いお手本演奏や伴奏を見つけることも大事だ。こういう動画には、バラードかボサノバかといった曲のスタイルや、速さ、コードなどさまざまな情報が詰め込まれているので、例えば伴奏動を流しながら、楽器を持たずに鼻歌だけ歌っていても練習になってしまう。
私が最近手掛けてみて、良かったのが「Fly Me to the Moon」だ。練習に使ってる伴奏動画はこれ。

この曲の何が良いかといって、メロディラインが「ドシラソファソラド、シラソファミ…」と、まるで音階練習のような並びなので、次に弾く音の指使いで混乱しにくい。譜面で見たり、演奏を聞いた印象より、ずっと弾きやすい曲だ。
だからといって決して単調で退屈ではなく、モダンで洒落た感じの名曲だ。多くのプレイヤーに演奏されているので、お手本にもことかかない。スタイルもしっとりしたバラード調からボサノバまで揃っていてさまざま。伴奏動画はCとBフラットがあるので、管楽器でもそれ以外の楽器でも、すぐ適当なものが見つかるだろう。もちろん練習用としてだけでなく、上達すれば十八番(おはこ)として人に聞かせるにも、なかなかナイスな選曲だ。
ちなみに、この曲が誕生したときは「In Other words」というタイトルがついていて、3/4拍子だった。現在のタイトルと形になってからは、フランク・シナトラが歌ってヒットさせ、アポロ宇宙船の中でも流れていたそうだ。それから50年後の今年、人類をふたたび月面に送るアルテミス計画が進行中で、今回は日本も参加している。この曲がまた宇宙船で流れるのかもしれない。

グラン・トリノ
2009年公開のアメリカ映画。主演、監督、製作、音楽、クリント・イーストウッド。
イーストウッド監督作品の中でも評価の高い作品だけに、心身ともに万全のコンディションで見始めたが、期待は裏切られなかった。例によって大物スターは自分だけ、大掛かりなセットも特撮もなしの
今では日本車がはびこるデトロイト市の郊外に一人住まいするコワルスキーは、朝鮮戦争から帰国後にフォードの組み立て工をしていたという、古いアメリカ人。人種、性別、異世代への差別意識や偏見に凝り固まり、家族とも疎遠になってしまった偏屈な老人だが、隣に越してきた東南アジアの少数民族の大家族との交流から物語は動き出す。
例によって小さなエピソードを違和感なく積み重ね、観客を心あたたまる時間から、不吉なクライマックスへと引っ張ってゆく。
公開時ですでにイーストウッドも高齢だっただけに、老人の描き方に身につまされたり、考えさせられることも多い。自分も最近は年取ったと感じることが多かったが、まだまだ歳の取り方が足りなかったようだ。70歳をたっぷり超えたら、もう一度観てみよう。
