AI画像生成でフラゼッタ風を作ってみた

昨年、AIによる画像生成サービスが大きな話題を呼んだ。自分の選んだキーワードをもとに、人工知能が画像を作ってくれるものだ。

そこで私もファンタジーアートの巨匠、フランク・フラゼッタ風の戦士を描かせてみた(画像クリックで拡大)。ご覧の通りなかなかの出来栄えである。これだけのものをゼロから描くのは大変だし、今のところ著作権に触れないようなので、用途はそれなりに広いだろう。

今回試したのは無料サイトの「MAGESPACE」で、使い方はGoogleのアカウントなどでサインアップしたら、枠内にキーワードを書き込むだけ。今回は、キーワードに「a warrior, by Frank Frazetta matte painting trending on artstation HQ」と入れてみた。「背景と合成したフランク・フラゼッタ風の戦士、artstation HQ(というイラスト紹介サイト)の傾向で」というような意味だ。

仕上がりも、普通の写真風やマンガ風など、あらゆるタイプの画像が作れる。ただし、キーワードで画像検索した一覧から、それっぽい要素を抜き出して再構築したという感じなので、例えば質感などは見事だが、緊迫感のあるアングル、迫力に満ちたポーズ、ドラマを暗示させる道具立てなど、フラゼッタの真骨頂までは表現できてない。
ちなみに顔が見切れているのはこのサイトの仕様らしい。他にも、いかにも使い道のありそうなキーワードを選ぶと、「それを描くなら有料バージョンを」となって、描いてくれなかったりする。また、すべて顔を隠すわけではなく、他の要素を一緒に指定すると全身を描いてくれるようだ。

人工知能なので、利用されればされるほど学習し、仕上がりが良くなっていくから、そのうち下手なカメラマンやイラストレーターよりマシな画像を描くようになるかもしれない。一方で、キーワードを上手に選ぶと、版権ゴリゴリの某キャラクターそのものを描いてしまったりする。今まさになんとか規制しようと企んでいる者も多いだろう。気軽に使えるのは今のうちかもしれない。

クルーザー

昔、クルーザーを操船させてもらったことがある。小樽港の真ん中あたりまで出たときに、突然「さあ、どうぞ」と舵輪を渡された。免許所有者がついていいれば無免許の者に操船させても良いのだそうだ。乗せてもらうだけだと思っていたのでおっかなびっくりだったが、突然操船させて反応を楽しむところまでがワンセットだったのだろう。

右折も左折も、スピードも自由自在につっ走るのは爽快だったが、なにしろどちらを見ても真っ平らな海面なので、思った以上に安全だったが、その分刺激的というわけではなかった。よくモーターボートが波を立てて急カーブを切ってるが、むしろそれくらいしないと醍醐味がないかもしれない。免許の所有者(やはり船長というのだろう)は、途中、遠くの大型船が立てた横波が近づいてきたときだけ舵輪に手をかけた。横波に対しては船首を直角に向けなければ転覆することがあるそうだ。

帰り時間になって船着き場を目指して速度を落としてからは、免許所有者でなければ操船できないと言われた。船長は俄然忙しく操作しはじめた。船というものは、スピードが出ていれば舵が効くが、低速になると効かなくなるのだそうだ。だから着岸のときは、エンジンを切った後に惰性で動く分も計算し、タッチした瞬間に速度がゼロになるように見切る。この速度が遅ければ岸の手前で止まり、早ければ衝突する。相当ゆっくりした速度でぶつかっても、船自体にかなり重量があるため、ゆっくりと押し潰れる感じで壊れるらしい。スピードが出てないときが危険というのは、同じ免許でも、車とは大違いだ。

魂の旋律

年をとると若い頃には当たり前だったことができにくくなる。耳が遠くなったり、目が悪くなったり、頭が...、という具合に。それでも楽器を演奏したり、音楽を聞くのに困った覚えはなく、だんだん楽しさが増してくるような気さえする。目はスティーヴィー・ワンダーに、耳はベートーベンに近づいているからだろうとと思う。とりわけ耳が遠くなったせいで、昔聞いたアーティストの同じ曲を聞いて、違和感を感じることもあるのだが、苦になることはない。なぜなら、私が聞いているのはデジタル信号ではなく魂に刻まれた旋律だからだ。