リンク切れ修正/パブリック・ドメイン名曲集

パブリック・ドメイン名曲集の一覧表で、ほとんどの題名から記事へのリンクが切れていた。確かに最近、アクセス解析結果に「404Notfound」が増えたような気はしていたが、「人生、そういうこともあるさ」で済ませてきた。今回たまたま発見できたので、すべてつなぎ直した。なかなか面倒だったが、そのせいか、最近の来場者数は増加気味である。

原因は不明。もしかしたら以前のアップデート、とりわけ新しい編集画面である「グーテンベルク」に切り替わった頃に、なにか起きたのかもしれない。新しい便利機能やプラグインに頼ると、それが変更になったりサポート休止されたときに厄介なので、なるべくシンプルなHTMLのタグを使うようにしてたのだが、かえってそれが悪かったのかもしれない。近代戦の戦場に駆けつけた古武士のようなもので、全く面目次第もござらん。(失敗をことさらにかっこよく言ってみた)

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Everytime We Say Goodbye

Cole Porter(1891-1964)の作品。John Coltraneのアルバム「My Favourite Things」からの演奏。
コール・ポーターは、ナイトアンドデイYou’d Be So Nice To Come Home Toなど、これまでもこの企画で何度も登場した作曲家。同じ作曲家ばかりにならないように気を配ってはいるのだが、今なお演奏され続けている曲が多く、どうしても登場回数が増える。それだけ時代を超えた名曲が多いということだろう。

コルトレーンのこの演奏もジャズファンにはおなじみだ。ここでは曲の最初と最後にテーマだけ吹いて、いわゆるアドリブは演奏していない。1966年の来日時には、空港でのお披露目に数10分間ものアドリブを吹いたとも言われるが、この演奏ではソプラノ・サックスの鄙びた音色のせいもあり、落ち着いたノスタルジックな雰囲気を感じる。

コルトレーンは、このアルバムのころからソプラノ・サックスを使い始めた。今では珍しくないが、ジャズにソプラノ・サックスを持ち込んだのはこの人からだろうと思う。ちなみにソプラノ・サックスを吹いてみたことがあるが、かなり大変な楽器だった。まず、テナーやアルトと違ってストラップで吊らず、右手の親指だけで持ち上げ続けるのがしんどい。小さな楽器に見えるが、手にすると真鍮ならではの重さがずっしりとくる。マウスピースが小さいので口元をうんと絞り込んで吹き込まなければならず、音程も不安定だ。何より素で聞くとチャルメラの音にしか聞こえず、とてもこんなしっとりとした曲を吹こうという気になれない。コルトレーンの演奏だって単音を切り出せばチャルメラ音ではあるのだが、流れて来たときには極上のバラードになっている。やはり巨人なのだと思う。

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練習曲を選ぶ

バイオリンを弾くようになって、いろいろな曲を練習した中には、すぐ上達したものも挫折したものもある。挫折しやすい曲は以下のような傾向があるように思う。
1 知らない曲
これは難しい。楽器指導サイトのオリジナル練習曲は、技術的には簡単でもなかなか覚えられないし、思い入れがないと、つまらないのであきてしまう。また、初めて聞いたときに良い曲なので練習し始めたものがあったが、いざ楽器を手にすると、驚くほど旋律を覚えていなかった。若い頃はちょっと聞いただけですぐ鼻歌くらいできたような気がするのだが。これも歳を取ったからなのか、それとも若い頃もわかったつもりの錯覚だったのか。
2 オーケストラやバンド曲
こういう分け方をするとほとんどの曲が含まれてしまうが、メロディラインがいくつかの楽器の間で引き渡されたり、和音になってないと雰囲気がでないものがある。こういう演奏からメロディだけをぬきだしても、なんだか冴えない。楽譜を手に入れたとしても同じことだ。当たり前だが、オーケストラやバンド曲は、複数の楽器のハーモニーでなければ出せない世界を生み出しているのだ。これをもしソロでひこうと思ったら、ソロ曲に編曲し直して伴奏が支えてくれていた部分を補う力量が必要になり、結局挫折してしまうことが多い。
ただし最近は、いろいろな曲のバックグラウンド演奏が手に入ることが多い。もし将来人前で演奏するときも、同じ伴奏音源を持ち込むことに決め、その伴奏で演習を続けると、伴奏なしよりずっと勉強になる。
3 クラシック曲
クラシック曲はささいなミスでも目立つし、バイオリンである以上、音色も美しくないとぶち壊しになってしまう。カントリーや民族音楽に比べて、バイオリンに対する音色や音程の基準がシビアすぎる気がする。逆にバイオリニストがポピュラーを弾くと、どこでもかしこでもビブラートを入れ、またテンポを外しても割りと気にせず、聞いていてドライブ感を感じないときがある。クラシックは、挫折以前に挑戦しないほうがいいジャンルである。
4.楽譜だけの曲
その昔、1曲だけでもピアノが弾けるようになりたくて、モーツアルトが5歳の時に作曲した作品という楽譜を買ったことがある。見るからに単純な楽譜だったが、全くものにならなかった。指だけは動くようになったが、違和感がどんどんつのってくる。CDと聴き比べたのだが、どこをどう変えればいいのかもわからない。「これがモーツアルトのすごいところなんだな」と納得したが、要はその100倍聴き込んで、耳タコになってから弾きはじめるくらいでないとダメだったのだと思う。