IT業界は、これまで常に花形産業として時代の最先端を走り続け、ビジネストレンドや便利で楽しいグッズ、サービスを提供し、設備投資や雇用、そして大富豪を生み出し続けてきた。それも、我々年寄りの若い頃から絶えず変革しながら、成長と拡大を続けてきたが、ここに来て様子がおかしくなってきたように思う。
まず、そろって人員削減が始まった。そして、機を同じくして、これまで提供されてきたさまざまなサービスが、次々終了し始めた。これまでIT業界は、新しいサービスをまず無償で提供し、十分普及したのを見計らって有料のオプションやグレードアップしたサービスを提供するという戦略を取ってきたが、その大本であるサービスの廃止が増えている。そしてそれに代わるような新しいサービスも登場していない。もしかしたら中国向け事業を減らしてるのかもしれないが。
鳴り物入りで登場したメタバースも、蓋を開けてみれば下半身のないキャラクターが殺風景な空間を動き回るだけだったこともあり、最近はあまり話題に上ってこない。AIは今でこそブームだが、IT業界の巨人たちが次の時代を託すには、ちょっとひ弱な気もする。
ちなみに往年のITの巨人、ビル・ゲイツ氏は、マイクロソフトを離れ、気候変動、世界の健康・開発、教育などに関する慈善活動に専念する一方、アメリカ最大の農場主でもあるそうだ。そういう時代になりつつあるのかもしれない。