大晦日

今年も1年が過ぎた。「無事1年が..」と書こうとして、けっこう大変な年だったなと思い返した。世界の平均気温は観測史上最高だったし、ウクライナも継続中で、イスラエルでも始まってしまった。コロナはあまり話題に上らなくなったが、まだまだマスク姿はなくならない。
ところで、中世ヨーロッパ社会に大流行したペストは、結局日本にも上陸している。明治27年に上陸し、収束したのは大正11年だから、28年間もかかっている。やはりパンデミックの終息には長い年月がかかってしまうのかと思う一方で、画期的なワクチンもない時代でも、ネズミの駆除など地道な方法でなんとか撃退できた。そのことには感心する。

当時はどうにもならないかと思っていたが、時間はかかったものの、すでに解決に舵を切った問題もある。例えば南極のオゾンホールは、世界的なフロンガス廃止で消滅していたらしい。日本の引きこもりも、OECD各国の中ではすでに下位のほうになったと言われているし、出生率も少し回復してきたようだ。
国際化や科学技術の進歩、工業化、システム化などが、社会を変化させ続け様々な問題の原因ともなっているが、それらの新しいやっかいな問題を解決するのも、国際化の進展や科学技術の進歩なのかもしれない。コロナだって、今すぐは無理でも今の医学の力なら、ペストよりはるかに短い期間で終息させられるだろう。将棋などのゲームや軍事の世界では、時間が解決してくれる状況になれば「勝利」なのだそうだ。

残念ながら高齢者には様々な問題の解決を見届ける時間はないかもしれない。だがそれでも、寿命には限りがあるし世界もまたお先真っ暗だというのは。若かろうと歳をとっていようと勘弁である。というわけで、今年のイヤなことはさっさと忘れて、性懲りもなく来年に期待するとしようか。

デリシュ!

2022年フランス映画。フランス革命直前に誕生した、「世界初のレストラン」の物語。料理人の登場する映画は面白いものが多い。きっと自分は、仕事がテーマで、仕事に打ち込むことで様々な問題を克服するというのが好きだからなのだろう。これもまた観てよかったと思える料理人の映画だ。
貴族の館で料理長を務めるマンスロンは、会心の新作メニューをめぐるトラブルから解雇。失意の中、意外な人物の登場から料理への情熱を取り戻すのだが...。

ハリウッド製ではないからだろうか、ストーリーはひと筋縄でいかない。大声や、オーバーアクションのない抑えた演技ながら、次々と気になるトラブルが起こり目が離せなくなる。登場人物たちも、善良だが正しいわけではなかったり、悪質な人間だがなんとも言えない個性の魅力を持っていたりと、これも一筋縄ではいかない。そして何よりヨーロッパの古典的な風景画や静物画を思わせる画面が美しい。印象的な本当に良いシーンも多いのだが、できれば観てほしい作品なので、具体的に書かないように苦労した。

視聴はアマゾン・プライムビデオ。残念ながらレンタルショップには無いようだが、1ヶ月の無料期間中に観て、すぐ退会という手もある。2カ月後も継続して観てしまうような作品を提供できるかどうかは、アマゾンのお手並み次第である。
大変だった一年の終わりは、ハートウォーミングな世界に浸って過ごしたい。そんな大人のための佳品である。

Let It Snow / Angelina Jordan

今日はクリスマスイヴ。最近このサイトでアクセスの多い、アンジェリーナ・ジョーダンのクリスマスソングを紹介する。

ボヘミアン・ラプソディの時は14歳。歌のうまい子供という部分が注目されがちだが、アーチストとしてはこれからが本番。そこでなるべく新しい動画を選んでみた。大人顔負けに聞こえたAGTのステージも、今と比べるとまだ子供の声質だったなと思う。とはいえ、現在まだ17歳だそうだ。
それはともあれ、メリー・クリスマス。世界中に平和と健康と、物価安定とネットセキュリティと、えーとそれからそれから・・・