タイトル画像の話 / 反物の柄

造形は簡単に、貼り付ける画像はオリジナルの柄を作った。CGの貼り付け用画像はテキスタイルと同じで、柄を繰り返してもつなぎ目がないように合わせる。たとえばレンガ壁や芝生の地面などは、実際の写真をもとにつながる部分を修正して作る。自然のものを修正するのは大変だが、反物の柄などはかなりいい加減なものでも繰り返して貼り付けるとそれなりのデザインに見えるので楽しい。モチーフがアルファベットだったり、配色がアフリカだったりしても、床に長く流してみると反物の柄に見えなくもない。

こんなことが手軽にできるのも画像処理ソフトがあるからで、昔の人が反物の図案を考えたり型を作るのは大変だったはずだ。以前浅草の印半纏の専門店に、オリジナルの藍染半纏を特注したことがある。本藍染で背中に「漢」の一文字を入れた、なかなか気張ったもので、地紋には「青海波」を使った。「漢」はおとことも読み意味合いが勇ましいだけでなく、八方に伸びる勢いが背中の一文字にふさわしい。お店の人もこれは気が付かなったと褒められ、他の人には使わせない「禁字」にしてくれた。青海波は有名な割にあまり見かけないので選んだが、普通の柄はない上下の区別があるので、仕立てたときに肩になる部分で模様を切り替えるという凝ったものになった。手間がかかる分高くつくので注文が少ないとのことで、職人さんにはむしろよろこでもらえた。

楽器演奏と老化

楽器演奏は脳の老化防止に役立つという記事がGIGAZINEにあった。本当にそうだったらいいのだが、実感としては老化防止はともかく、演奏できるならそれほど老化していない、とは言えると思う。

楽器演奏は日によって調子の良し悪しがあり、満足度もまちまちだが、まずは意欲からして湧いてこない日もある。それも意欲の老化現象かもしれないが、一方で長年生きていると、気乗りしないことでもあきらめて取り組む経験も積んできた。で、ともかく楽器を手にして弾き始めても、普段より指が動かなかったり、前までできていた箇所で立ち往生したりする。そうなると、これはいよいよ老化か、自分のピークもここまでかと気分が落ち込んでくる。

ところが、やる気が起こらずミスばかりするような日でも、しばらく続けているといきなりスルスル指が動き始めたりする。それまで半分眠っていた目がぱっと開かれたように、そのあとの流れが見えてきて、次に出すべき音を余裕を持って待ち構えてられるようになる。そういう体験があると、自分もまだまだだと思えて実に気分がいい。目に見える上達がなくても、そういう一瞬のためだけでも楽器演奏を続ける価値がある。

また伴奏動画に合わせて弾くほうが、楽譜だけ見てダラダラ弾くより、終わった後の爽快感が大きい。それまでは頭に霧がかかっていたんだとわかるほどだ。ただし気合の入った演奏をすると、短時間でもけっこう頭が疲れるが、脳もときどききつめの負荷をかけてやったほうがいいような気がする。

タイトル画像の話 / 深夜のバーガーショップ

自分はまだお目にかかっていないが、ファミレスではウェイターロボットが働いているそうだ。自分は昔から、飲食店の注文取りの仕事だけは無理だろうと思っている。無数に並んだ、あまりなじみのない名前のメニューは、自分が注文している途中でもどれだったかわからなくなるくらいだから、次から次へと注文を聞いてはキッチンに告げ、出来上がりを正しいテーブルの正しい客にサーブするのは、自分には無理だ。AI化ロボットにまかせてしまうのは良い手だと思う。

ところで先日、アメリカのレストランでウェイターをしていた日本人の話を聞いた。又聞きだが、給料が日本円で月50万の他に、チップをまとめてスタッフで山分けする分が40万。合計すると年1千万ほどもらっていたそうだ。おそらくバーガーショップなどではなく、ザガットに紹介されるような店で、客の前でサラダを和えてみせるようなウェイターなのだろうと思うが。
ネット上にも、ニュージーランドの農場でのワーキングホリデーで、数百万稼いで学費にした大学生の話なども見える。海外のインフレ、日本の円安恐るべしだ。若い人は国内にこだわらずに、どんどん海外に出てチャンスをつかむべきかもしれない。ただしその場合は、英語がネイティブ並であることが必須だとか。それだけもらうのだから、当然といえば当然だが。