AI応対

某社からセールスのメールが届いた。興味のある内容だったが、送信アドレスのドメインが見慣れないものだったので、企業のサイトの「お問い合わせチャット」で尋ねてみた。今の時代だから相手はAIである。すると、それは当社のドメインではないので、関知しない旨の回答があった。さすがAI、即座に堂々と答えがかえってきた。おかげでストレスも感じず、問い合わせてよかったと安心もできたのだが。

ところが念の為調べてみると、怪しいドメインはその会社のグループのものだった。人間の応対ならちょっとでも怪しいと思ったら上司に振ってしまうところ、せっかくの問い合わせ客を自信たっぷりに追い返してしまったことになる。一説によればAIの知能は猫程度だそうだから、文字通り猫の手も借りたかったということかもしれない。AIの応対は堂々としていて信頼感があるので、間違っていてもそのまま受け入れられる。変なデマが飛び交っているので原因を調べたら、自社のAIの発言が原因だったなんてことも起こるかもしれない。
だからと言って、「これはAIによる回答なので、一切責任は負えない」とただし書きをつけるのも、AIの返答内容をすべて人間がチェックするのも本末転倒。さて、なかなか面白い時代になってきたようだ。

タイトル画像の話 / 展覧会

blenderで試したい技術があったので、作ったもの。意味のない形だが、展示会風にするとそれらしく見えたのではないかと思う。

CGの物体の色は照明の使い方で全く変わる。例えば赤い物体でも、光が強くあたった箇所は白、当たらない箇所は黒になる。それ以外の箇所はピンクだったりえんじ色だったり、全体的に茶色にしか見えないというようなことも起こる。さらに鏡面のように光を反射するのか、または布のように反射しないかなど、表面の性質でもかわる。
なので画像全体としては光線のあたり具合によって、あちらを立てればこちらが立たずで、思った通り作るのは難しい。最終的にお絵かきソフトでハイライトや影を描き込んでしまうことも多い。今回はそういう後工程なしでできたので、なかなか満足である。

こんな風に照明や物体の素材感の、いい感じの組み合わせが見つかったらそれを記録し、蓄積してゆくのがCGのノウハウだが、そこまで書いてる解説書はない。体当たりで独学するしかないのだ。自分は40年以上3DCGをいじってきて、少しはノウハウがあったつもりだったが、BLENDERに乗り換えたらそれらが通用しなかった。ようやくわかってきた部分もあるが、実写背景との合成や、動画作成など、先は長い。ノウハウを積めば積むほど新しい技術が追加されていくところは、逃げ水を追いかけてるようなものだ。そこが面白いところでもあるのだが。

自家製の醤(ジャン)

昔から自家製の唐辛子調味料を自作している。中華料理で言う醤(ジャン)というやつである。唐辛子、豆鼓(トウチ)、煎りゴマ、干しエビ、ニンニクやタマネギを揚げたものなど、決まったレシピはなく、減ってきたら唐辛子と他になにか適当な材料を足して使い続けてきた。容器だけは時折消毒したものに取り替え、残っている醤と新しい材料を混ぜ合わせ、表面まで油を足して冷蔵庫に保存する。分量が適当なので、時期によって激辛になったりピリ辛になったりするが、味に深みがあるので、餃子や包子に使うとシンプルなラー油よりうまい。

これも最初は唐辛子粉を多めの油で炒めただけの自作ラー油だったが、思いつきであれこれ足しているうちに、だんだんオリジナルな味になってきた。また、中華食材店に並ぶよくわからない醤をつい買ってしまい、あまり気に入らなかったときも、自家製醤のベースに混ぜ込むとシナジー効果を発揮して、より複雑で奥深い味わいになる。