タイトル画像の話 / ヴォイニッチ手稿

それほど面白い画像ではないが、ちょっとした技術的アイデアがうまくいったので公開してみた。

モチーフに使ったのはヴォイニッチ手稿。1912年にイタリアで発見された古文書で、240ページに渡って羊皮紙に図版と文章らしきものが書かれている。文字については、統計学的手法により全くのデタラメではないことがわかっているが、未だに解読されていない。作者も年代も不明で、人物は描かれているが裸なため、服装から時代を推定することもできない。

挿絵は博物図鑑のようでもあり、絵物語のようでもあり、素朴な味わいに満ちている。こういう役に立たないものが大切に保管されてきて、さらにインターネットで世界中に拡散してるのが面白い。なお、こちらから原本のダウンロードも可能だ。手元でじっくり見れば、謎解明のひらめきが訪れるかもしれない。

パーカー・ソーラー・プローブ、太陽への21回目の接近を完了

NASAのパーカー・ソーラー・プローブは9月30日に太陽への21回目の接近を完了し、太陽表面から約451万マイル(726万キロ)まで接近して自身の距離記録に並んだ。今回の接近観測が終わると、宇宙船はふたたび太陽から離れて金星の重力で最後の軌道変更を行った後、太陽への接近と観測を3回行った後は重力に捉えられて太陽に突入する運命にある。

2015年の発射時点では、随分先のことと思っていた計画の終了が見えてきた。宇宙船には、世界中から集まった一般人の署名データが搭載されていて、私もその一人である。ちなみに日頃当サイトでは個人情報につながる情報は慎重に避けてきたので、もし身バレすることがあるとすれば、この宇宙船から以外に考えられない。
それはともかく感無量である。だが今年10月、同じくNASAによる木星の衛星エウロパ観測船が発射されるが、ここにも署名させてもらった。宇宙は広く、人間の探究心にも限りはない。太陽が済んだら木星へ。漠然とした話で膨大な費用もかかるだろうが、同じロケットなら他国に落とすより宇宙に飛ばしたほうがマシだろう。ささやかな署名だが、少しでも後押しできればいいと思う。

命のブログとネットリテラシー

以前から、国際情勢に関する、ある国内サイトを定期的にチェックしている。外国政府の公式発表や海外専門家のブログの翻訳、データや関連ニュースなどをまとめて紹介してくれているが、専門用語にも明るい人物らしく、自分が自動翻訳で得るものとはレベルの違う見識を得ることができる。

そこでは時折サイト主の近況も書かれるが、どうやらガンとの闘病中らしく、食欲はないが医者のアドバイスでなるべ食べるようにしているというような記述もある。これは読む方も胆力が必要だが、命がけの執筆から目を背けるべきではないとも思える。
あちこちに紹介したいが、見た人はやはり重苦しい気分になるだろう。しかし一人でも多くの閲覧が増えれば、それだけ張り合いになるかもしれない。ネットの世界はバーチャルだという人もいるが、どんな情報も誰かが発信しているものなので、すぐ生々しい「人間」に突き当たる。そんなことを考えさせられるのも、これまでになかったネットの醍醐味である。

ちなみに、これが客引きのための「設定」だと疑う人もいるだろう。そう疑うのは当然のことで、それこそネットリテラシーの基本、健全な猜疑心というものである。確かにネット上は不愉快なヤラセに満ちているが、一方で完全に騙された場合お約束の態度というのも決まっていて、以下のように言うのだという。
「ああ、良かった。ガンに侵された気の毒なブロガーさんなんていなかったんだね」