今日は大晦日

今年も様々なことがあった。特にネット関係では、大手企業が次々と攻撃を受けたのを始め、自分宛のメールにもぬけぬけと官庁や公共性の高い企業名を名乗った詐欺メールが増えた。米大統領選挙の年はネット上で激しい攻防が行われていると聞くが、そのとばっちりは各方面に及んでいると思う。

また、犯罪ではないがIT化そのものの限界を感じることが増えた。アウトソーシングが叫ばれた頃から、ITは企業の社内業務を体よくIT企業に押し付けるという意味合いが大きくなってきたが、近年はその業務コストを顧客に押し付ける形でのシステム化が増えてきた。要は面倒くさい操作が増え、人間の対応が激減した。

年を取って変化についていけない部分もあるものの、かつて新製品、新サービスが登場するとその分必ず生活が便利になり、快適になった時代を体験していると、今登場するITサービスは、消費者のベネフィットに逆行しているものさえあるように感じる。
今年、熊本の公共交通が乗車料金のカード化をやめる決断をした。おそらく国が後押しして進めているであろうキャッシュレス化に背いていくのは大きな決断だっただろうと思うが、人口そのものが減少している地方では、交通機関をカード化にしたところで乗客増が見込めるわけではない。さらには、カード化のための設備とシステムの導入や維持管理、バージョンアップなどにコストがかかりすぎて、組織内部のコスト削減にすらなっていないのではないかと思う。今年あたりは、戦略的な目標はないがシステム化できる余地があるからする、というやり方の限界が来たような気がする。

1年を振り返れば更に犯罪だの戦争だのと楽しくない話題はきりがないが、実は来年にはささやかなお楽しみがある。元日付けの記事にして、すでに予約投稿済みなので、明日が来るのが楽しみだ。

タイトル画像の話 / 宝船?

一足早く年賀用のタイトルをアップした。

(短歌直訳)
世の中は、弱肉強食の荒波が荒れ狂うレッドオーシャンである。
正月だと言うのに、縁起の良い宝船の音も聞こえてこないことよ。

元日の日の出に染まる海を作ろうとしたら、レッドオーシャン(※)になってしまった。元歌は「永き夜の、遠(とお)の眠り(ねふり)のみな目覚め、波乗り船の音の良きかな」という、枕の下に敷いておくと縁起の良い初夢が観られると言われる、宝船の絵に書かれている短歌。上から読んでも下から読んでも同じ、回文になっている。

CGとしてはさほど工夫のないものだが、権利関係のうるさい時代ではこういうのがちょこちょこと作れるのは便利だ。多分AIで同様のものを描くためのスクリプトづくりや修正作業より早いと思う。

ちなみに初夢用の宝船の紙を「枕紙」と言ってるサイトがあったが、その言い方はやめたほうがいいと思うよ。ふふふ。

※レッドオーシャン:生存競争の厳しい市場を表す経済用語。環境の厳しい都会ではなく、地方で顔なじみの顧客相手に細々暮らして行ければいい。こののどかな潮溜まりで、大海に漕ぎ出さずに生きよう。などと考えていると、沖合から大資本や異業種の鮫が押し寄せてきて血の海になる。

タイトル画像の話 / 無題

欧米でのクリスマス期は新年も含むらしいが、日本のはなんちゃってクリスマスなので、26日まで引っ張ると売れ残りっぽく見えてしまう。そこでチャッチャと新しいものを作ってみた。もう少し手をかけて、きちんとしたアールデコ調にしたほうが良かったかもしれない。苦労が足りない感じなので、新聞紙を放り投げてみたのだが、一気に難しくなった。


見て分かる通り、新聞紙らしさが全く出ていない。全体的にしわがよってしまい、濡れた紙か、紙面をプリントした布のようだ。本当の紙なら折り目のところでだけ曲がり、他の部分は平面のままで広がらなければならないのだが、CGはどこも同じ強度にしかできない。均質なものだが、形によって強い部分とそうでない部分ができてしまうというシミュレーションは難しいようだ。