ガンプラ

「ガンプラ」というのがガンダムのプラモデルで、大変な人気なのは知っていたが、1枚のランナー(部品がついている枠)に色違いの部品が一緒についているのは知らなかった。

プラモデルは子供時代にしか作ったことがなく、当時はすべての部品とランナーは同じ色のプラスチックだった。戦車なら灰色、零戦なら深緑というように、現物に近い色ではあったが、箱絵と違って細部は色分けされていなかった。部品からプラスチックのはみ出し(バリ)があって、完璧に仕上げるにははみ出しを削り、ヤスリを掛けた上で多数のプラカラーで彩色するのだが、そこまでは手が届かなかった。
ガンプラは同一のランナーに色違いの部品がついているだけでなく、接着剤なしで組み立てられるし、バリもない。プラモデルの醍醐味が希薄になった気もするが、今思えばもともと子どもには敷居の高い遊びだったようにも思える。

プラスチックの金型というのは高度な職人技が必要で、費用も高く、部品の色ごとに別の金型を作らなければならなかったが、現代は3D-CADやカッティングマシンなどを駆使しているのだろう。さらに色違いのプラスチックを流し込むのだから、流量や流速などをシミュレートしているのかもしれない。金型の個数だけでなく、使用するプラスチックの量やパッケージの省スペース化、物流の効率化まで達成している。非常に高度な技術だと思う。

こんなふうにプラスチックが流し込まれている。もちろん顔まではできない。

Lady be good!

ジョージ・ガーシュウィンの作品
演奏はSteffen Zeichner 。クラシックからジャズまで幅広いジャンルで活躍し、教育指導にも意欲的で音楽芸術博士も所有。5弦バイオリンの奏者である。5弦バイオリンは高い方から4弦がバイオリンの調律、低い方から4弦がビオラの調律になった楽器で、低音域が広いのでポピュラー曲に向いている。パブリック・ドメインになるような古い曲、スウィングジャズ曲のレパートリーが多く、動画の公開数も多いので、非常に参考になる。

動画の収録箇所は大阪となっている。ジャムセッションに参加しているのは学生だろうか。我々の若い頃はジャズ喫茶も多く客もよく入っていたが、どちらかと言えばモダンジャズ以降のリクエストが多く、ジプシージャズなどは「古臭い」と思われていたように思う。現代はスタイルに関わらず好きなジャンルに接する時代なのだろう。

2ペンスをWikipediaに

最近、検索エンジンの検索結果に、真っ先にAIの回答が出るようになった。以前は大抵のキーワードでWikipediaが真っ先に上がっていたが、最近は検索結果とも広告ともつかないサイトが上位になり、AI回答のせいで、Wikipediaはさらに下位に登場するようになってしまった。また、以前は何でもまずはググって、続いてWikipediaをチェックしていたが、最近は直接AIに聞いてしまうことが増えた。

そんな中、Wikipediaに300円の寄付を募るメッセージが出るようになった。寄付としては少額過ぎて助けにならないだろう、スタッフのコーヒー代で消えてしまうとも思ったが、ふと考えた。例えば誰かが300万円寄付しても助けにはなるだろうが、同じ額なら300円ずつ1万人から集まったほうが価値がある。それこそがネットならではの解決法だ。そう思って寄付してみた。するとメッセージが出なくなったので、ちゃんと相当数の支援者がいて、予定額に達したのだと思うことにした。

AIとのセッションはぐんぐん必要な情報に突き進む感じが楽しい。同じ文字情報でも、こちらの質問にしたがって順番に応答してくるので、頭に入りやすい。正確性を確認するクセがなくなってしまいそうだ。AI自身も、回答内容はWikipediaなどで確認することが望ましいと言っていたくらいだから、人間が書き込んでいるWikipediaの価値はむしろこれからが真骨頂かもしれない。

この記事を書いていたおきに、なんとなく映画「メリーポピンズ」の挿入歌、「2ペンスを鳩に」を思い出した。この映画の原作が発行された1936年当時のイギリスで2ペンスは、現代の日本でだいたい230円~300円の価値だそうだ。