「ガンプラ」というのがガンダムのプラモデルで、大変な人気なのは知っていたが、1枚のランナー(部品がついている枠)に色違いの部品が一緒についているのは知らなかった。
プラモデルは子供時代にしか作ったことがなく、当時はすべての部品とランナーは同じ色のプラスチックだった。戦車なら灰色、零戦なら深緑というように、現物に近い色ではあったが、箱絵と違って細部は色分けされていなかった。部品からプラスチックのはみ出し(バリ)があって、完璧に仕上げるにははみ出しを削り、ヤスリを掛けた上で多数のプラカラーで彩色するのだが、そこまでは手が届かなかった。
ガンプラは同一のランナーに色違いの部品がついているだけでなく、接着剤なしで組み立てられるし、バリもない。プラモデルの醍醐味が希薄になった気もするが、今思えばもともと子どもには敷居の高い遊びだったようにも思える。
プラスチックの金型というのは高度な職人技が必要で、費用も高く、部品の色ごとに別の金型を作らなければならなかったが、現代は3D-CADやカッティングマシンなどを駆使しているのだろう。さらに色違いのプラスチックを流し込むのだから、流量や流速などをシミュレートしているのかもしれない。金型の個数だけでなく、使用するプラスチックの量やパッケージの省スペース化、物流の効率化まで達成している。非常に高度な技術だと思う。
