タイトル画像の話 / コーヒーポット

何の気なしに作った赤いコーヒーポットが、いかにもホーローらしくできたので背景をつけて仕上げてみた。いつか別のホーロー製品を描くときには、このコーヒーポット表面の光沢や目の粗さなどのパラメーターを持ってくる。こうやってガラスや鉄板、タイルなど、うまくできた素材表面のパラメーターをストックしていくのがCGのノウハウである。

ただし、試しに文字などの画像を貼リ付けたら、同じパラメーターなのにあまりホーローらしくない。赤はよくあるので積極的にホーローだと認識されるが、文字は実在しないので冷めた目で見る。そんな目の錯覚や脳の先入観も、ものの見え方に影響するのだろう。

ちなみに壁のポスターは、新しい生成AIのFLUX playgroundで描いたもの。こういうちょっとした素材が、権利関係を気にせずに使えるのはやはり良いことだと思う。

美女には飽き飽きした

実生活ではなく、ネット動画の話。

音楽演奏動画を視聴すると、おすすめに美女の演奏動画が登場するようになる。それ自体けっこうなのだが、一度でも視聴するとその後のおすすめが美女だらけになり、だんだん服装や踊りがエスカレートしていく。演奏が下手な訳では無いのだが、そればっかりになって他ジャンルの動画を押しのけてしまう。多分、そういう動画数と視聴数が圧倒的に多いので、自然にシフトするのだと思うが。

最近はAI美女のサムネールが混じってきた。そのうち音楽ですらない、例えばきわどい格好で大工仕事というような、通向けの動画まで並ぶ。誰かにおすすめ一覧画面を見られたら「こいつバカだろう」と思われるレベルだ。たとえ視聴しなくても、おすすめに放置しておいただけでそうなる。「ダンナ、お嫌いじゃないんでしょう?わかってますって」と言わんばかり。こうなると不道徳で知られるOLDBADBOYもうんざりしてくる。

そこで以前、動画の視聴履歴を全削除したことがある。ニュートラルな状態、世間の平均的な人気動画の一覧からやり直して、気に入ったものだけおすすめしてくれる状態に戻ることを期待したのだが...。
美女は減ったが、ゴシップや陰謀論、その他のしょうもない動画がおすすめを埋め尽くした。誰かにおすすめ一覧画面を見られたら「こいつバカだろう」と思われるレベルだ。

2025年6月4日

1986年の今日、中国で天安門事件が起こった。これに関して、以前身の回りで起こったことを記事にしたことがある。

https://oldbadboy.com/%e5%85%ad%e6%9c%88%e5%9b%9b%e6%97%a5/
https://oldbadboy.com/%e5%85%ad%e6%9c%88%e5%9b%9b%e6%97%a5-2

この頃の中国は途上国そのもので、私は留学生の帰国にあたって
「あなたたちが頑張れば、そのうち日本を追い越すかもしれませんよ」と言った。
社交辞令のつもりだったが、現実になってしまった。

当時まわりにいた大陸系の中国人は、華僑や留学生など、やや特殊な立場の人だけだったが、今はそこらじゅうで見かける。富裕層が登場し、「爆買い」が話題になった。民間レベルでの交流は活況だが、互いへの反感もまたかつてないレベルに高まり、安全保障上の脅威も増している。

かの留学生は酪農を研究していて、国中の赤ん坊に、十分なミルクをあたえるのが夢と言っていた。日本には20歳を過ぎてそんな青臭いことを口にする人は珍しかったので、素直に感動した。その後その夢は実現し、十分なミルクが流通するようになったが、毒入りミルク事件がおこった。留学生の言葉を思い出し、先進国化は良いがそこまで行かなくてもと残念に思ったものだ。
が、今なら、中国人とはそういうカッコいい言葉を口にしたがる国民なのだとわかっている。やるべきこともやるが御大層な宣言もする。田舎から出てきた素朴な青年も、それは変わらない。日本人はホンネと建前が違うと言われるが、言行はけっこう一致している。それに比べて中国人は「言」のバランスが過大だ。善良な人でも、できもしないことでも請け負ったりするので、結果としてウソをつかれることもある。そして悪質なウソは日本人よりひどい。

あの時代から比べると、日中の関係は良い意味でも悪い意味でもずっと深まった。友好も敵対も同時進行中のような抜き差しならない関係といえる。が、相手をよく知ったほうが優位なことは間違いないし、軽視するには危険な相手でもある。