キャラクターを作ってみた / パンタローネ

これまでいくつかCGでキャラクターを作った。あまり得手ではないので、シリーズ化は断念したつもりだったが、このところキャラクター新作とザビエルの謎の記事へのアクセスが増えてきた。となると欲が出るもので、新作に挑戦してみた。

テーマは、イタリアの仮面喜劇コメディア・デラルテの配役の一人、パンタローネである。金持ち、欲深、色欲旺盛な老商人で、若い恋人たちの邪魔をしたりする憎まれ役。お達者とも言う。私は藤田和日郎のマンガ、からくりサーカスで知った。姿はわかってるつもりで下調べなしに作ったら、本物は全然太っていなかった。せっかくなのでそのまま公開したが、当たらずとも遠からずと思うがどうだろう。
CGキャラクターはVTUBERのアバターとして世に満ち溢れている。そのほとんどがカートゥーンレンダリング(3次元CGだが、仕上がりが平面のアニメ調に見える表現)のものが多いが、見かけ以上に高度な技術と創造性が必要なので、とても真似はできない。また、トイ・ストーリーのように立体感のある造形も、ハイスペックなコンピュータ環境が必要なので、これも難しい。なのでその昔の「ひょっこりひょうたん島」のような、人形風キャラクターにしている。
ちなみにコメディア・デラルテの仮面と、有名なベニスのカーニバルの仮面とは共通点がありそうだが、それほど直接的な関係ではないらしい。

野生化豚の駆除(アメリカ)

人によってはショッキングな映像なので、視聴ご注意。
アメリカテキサス州の農場での、野生化した豚の駆除風景である。タイトルに猪とあるが、実際は野生化した豚らしい。これが今増えすぎて問題化している。ナイトビジョンを装着した銃を使っているが、他の動画では車で追いかけながら撃ったり、機関銃やヘリコプターを使うものもある。いかにもアメリカである。

残酷ではあるが、しばらく見ていると違和感を感じてくる。まず、豚の走る速さが、犬なみのスピードではないかと思う。さらに、どれか1頭が撃たれると群れが一斉に駆け出すのだが、どの豚も躊躇なくその時に向いていた方角にダッシュするのだ。人間でも、突発的なことが起こったときにすぐ動くのは難しい。とっさに走り出すという訓練を受けていないと、何が起こったか知ろうとしたり、考えてその場に居着いてしまうからだ。野生豚の群れは、銃声を聞いた途端バラバラの方向に走り出すので、狙いを定められず、ほとんどが逃げてしまう。

野生豚は、養豚場などから逃げ出したもののほか、ハンティングを目的に人為的に放したものもいるらしい。また、待ち構えて銃撃しているということは、群れが何度も荒らしに来ているということ。多少の犠牲を覚悟で何度も現れ、たっぷりの餌と経験を手に入れる。人間が待ち構えていることを承知の上というわけだ。何頭か撃ったくらいで駆除の効果があったとは思えないし、しかも子豚が死ぬと、発情期にかかわりなく交尾をするらしい。

野生豚は群れごと駆除しなければ、かえって被害が増える。そこで次の動画では、群れが大きな金網サークルに入り、中央の餌を食べている時に入口を閉じて一網打尽にする罠を仕掛ける。が、よく見るとボスと思しき体格の個体は、決してサークルに入ってこないのだ。群れを餌場に連れて行ってたっぷり食べさせることも、万一の時に自分は生き残って群れを再建するのも、ボスの戦略なのだろう。
人間が銃や機動力を使おうが、豚も畑の被害も増え続け、しかも腹を撃たれた豚は肉にできないので、処理コストがかさんでいく。銃で一方的に倒しているように見えて、実は豚の生き残り戦略に負けている。そんな皮肉な動画だ。

タイトル画像の話 / AIとフレーバー・テキスト

AIの面白い使い方を見つけた。ChatGPTでフレーバーテキストを作ってみたのだ。

フレーバーテキストとは、カードゲームなどについているもので、意味ありげだが、カードの絵の説明ではなくゲームの内容にも影響のない、雰囲気だけの詩である。こういう意味はないが世界観を広げてくれる言葉は、広告コピーにもあり、さしずめ「いいちこ」などはそういうスタイルだ。本ブログのタイトルでも、以前雰囲気だけのコピーをつけてみてなかなか面白かったが、CGもフレーバーテキストもというのはなかなかキツいので、後続作はなかった。

これを作った時はAIもなく、フレーバー・テキストという概念も知らなかったが、今回は両者の合体を思いついたのである。
ちなみにChatGPTに頼んだのは「空とぶ呪われた野猪をテーマにした、10行ほどの不吉な感じのする詩」で、以下のようなものができ上がった。タイトル画中の詩は、さらに英訳してもらったものである。

灰色の月がひづめを照らす、
羽音はなく、ただ骨笛のように

森は目を伏せ、丘は口を閉じ、
石は眠り、泉は逆さに歌う

呪いは風より軽く、肉より重く、
誰も数えぬ星々がその背に乗る

それは墜ちることを知らず、
だが地を忘れることもない

なかなかのものではないだろうか。直接猪や飛ぶことを指す文字を使わず、ほのめかしたり、畳み掛けたりという技巧が光ってる。

画面のなかに意味のない文字がほしい場合に、よくLorem Ipsemを使うが、あくまでダミーなので作品とは言い難い。こちらはオーダー品である。またこの手法で何かを作ってみようかと思っている。