9月18日、中国深圳市の日本人学校に通う10歳の小学生が襲われた。痛ましいできごとだと思う。何かできることはないかと考えてみた。

さて日本は法治国家なので、子供を襲撃すれば理由の如何を問わず罰せられるし、そのことは法律として周知されているが中国は違う。何かをやってそれが為政者の不利になれば処罰、有利に働けば称賛される。そんなあやふやな基準でうかつなことはできないので、多くの中国人は政治に関わらないように生きているが、一方、為政者の称賛を勝ち取ればその後の栄達が約束されるので、上の意を汲んだつもりで愚行に走るものも出てくる。中国は諸子百家の偉大な思想家を生んだ国なので、子供を襲撃しても良い思想などないことははっきりしている。思想信条や義憤ではなく、利を求めてのことだ。

今回の凶行は、為政者にとって不利に働かなくてはならない。この点東芝はいち早く社員家族を引き上げさせ、世界に対して子供にとって安全な国ではないことを示した。家族を預けても良いほど信頼関係があった相手から突きつけられた不信に、為政者は面子を傷つけられた。そしてこの状況を放置すれば、世界が見る目が変わってくる。月面飛行もIT技術の発展も、色付きで評価されることになる。犯人やその後尻馬に乗って不快発言を行った知事の運命は決まったかもしれない。

メディアは、9月18日は1931年に旧日本軍が柳条湖(※)事件を引き起こした日だから小学生が襲撃されたのだという。たとえ我々が生まれてもいない時のことであれ、歴史は歴史として忘れてはならないことだから、私も当時の中華民国、現在の台湾の人々の心情には心を砕くべきだと思う。そこで、私にできることは少ないが、ブログには予約投稿機能があるので、来年の9月18日付けでこの事件に関する記事を予約投稿してある。

※今は、柳条溝(りゅうじょうこう)事件ではなく、柳条湖(こ)事件と言うらしい。いずれにせよ昔の出来事であっても現代社会に影響をおよぼすというなら、絶えず新しい情報を付け加え、上書きされていくべきなのだろう。