ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り

2023年アメリカ映画。テーブルトークRPGの原点にしてその後のゲームやファンタジー映画に多大な影響を与えた古典的名作、「Dungeons & Dragons」の映画化ということで大いに期待して観たが、期待以上の出来だった。
舞台は剣と魔法の世界で、主人公はこそ泥兼業の吟遊詩人。自らの盗みが原因で死なせた妻を蘇らせ、離れていった娘の信頼を取り戻すため、同じように脛に傷を持つ仲間とともに、危険な旅に出かける。

子供向けとまでは言えないが、わかりやすいストーリーにファンタジックな映像とアクションで、申し分のない出来だ。アクション・シーンというのは二番煎じがすぐ飽きられるので工夫のいる部分だが、ここでは中世世界の室内や調度を活かしたユニークなものになっている。魔法の表現も、指先から炎が出るだけのような作品が多い中、いかにも「摩訶不思議」な現象の表現に成功している。制作陣のイマジネーションの豊かさを感じさせる。
ハリー・ポッターや指輪物語などの名作ファンタジーも、続編になるにつれて水増し感があったが、久しぶりに密度の濃い作品に出会えた。

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