先日観た,フランス映画のタイトルである.
バイオリン=クラシックだけではないと思うので,なるべくクラシック以外の話題にしようと努力しているのだが,やはりあの世界は奥深い上に幅広く普及しているので,どうしても話題にせざるを得なくなる.先日のG線上のアリアの記事などがそうだ.
「オーケストラ!」は,音楽をテーマにしたコメディである。舞台は現代のロシアだが,ソビエト時代に,政府の弾圧でボリショイ管弦楽団の掃除夫にされてしまった天才指揮者が,フランスから楽団への公演依頼に勝手に応じ,同じように追い出された楽団員たちを集めてパリへ行く話.メンバーは運転手や八百屋,ジプシーなどをやっていて,中には共産党の復権を信じて街頭演説を続けている者もいる.映画は「典型的なロシア人」のパロディらしいのだが,人数分のパスポートを空港ロビーで偽造したり,楽器は前日のリハーサルでようやく調達できたりと,すべてがルーズで無計画.しかもパリにつくなり,全員どこかに遊びにいってしまう.日本人の私としては可笑しいやら気が気でないやらだ.
動画は,人気絶頂の女性バイオリンソリストの前で,ジプシーの団員が演奏するシーン.楽器を持てば歌えや踊れやになってしまうが,突如倍音のアルペジオなどという超絶テクニックも飛び出す.セリフなしの演奏だけで「どちらも音楽」ということが伝わってくる,お気に入りのシーンだ.動画は不正アップロードだろうが,ロシア式に細かいことは気にせず,楽しんで欲しい。
次回「果たして今の実力は?」(9/16公開予定)
乞うご期待!