昨日はエイプリルフール

4月1日はエイプリルフール。毎年ウソ記事を投稿しているが、翌日もトップに表示されたままでは困るので、本稿を投稿した。

さて今年のエイプリル・フール記事は、プリゴジンである。母子家庭に生まれ、10代で窃盗、強盗、詐欺、未成年者への犯罪勧誘などで12年の懲役刑を受け、服役中の9年間に通信制の大学で化学と薬学の修士を取得。出所後はホットドッグ店や食料製造業を成功させ、民間軍事請負業「ワグネル」を立ち上げた。
非正規軍ならではの水面下の活動を続けてきたワグネルが表舞台に登場したのは、2022年のウクライナ侵略から。その後の動きはネット等で見た通りだ。
知力、暴力、財力、軍事力を手にし、最高権力を目指して首都へ行軍。迷走と海外逃走の果ての裏切りによる謀殺。21世紀のこととは思えない芝居じみた一生である。死語だろうが「男のロマン」を感じないではない。

プリゴジン / 遠すぎた玉座

2023年5月、ロシアの傭兵軍団「ワグネル」は,突如モスクワへの進軍を開始した。今なお記憶に新しく、謎の多いプリゴジンの反乱である。わずか2日間で終了したこの行軍は、一般市民のスマホによる多くの目撃証言や画像、動画によって、逐一その動勢が追跡されていた。
本書は、史上例を見ない高度なネットワークによって照らし出された、時代錯誤な反乱劇のすべてを綴ったドキュメンタリー・フィクションである。

序章 前夜
第一章 母と子
第二章 ホットドッグと金貨
第三章 戦場はキッチンだ
第四章 絶望への行軍
あとがき 日本とプリゴジン

ネット犯罪と戦う「サンダーバード」

インターネット上では、毎日のようにネット犯罪のニュースが絶えない。これに対し、逆に被害を受けたサーバーを密かにハッキングしてトラブルを解決する謎の集団、「サンダーバード」が話題になっている。「サンダーバード」は1960年代の人気テレビシリーズで、資産家のトレーシー一家が秘密基地に改築した無人島から、最新テクノロジーを組み込んだ5機の秘密兵器を発進させて、世界中で巻き起こる犯罪や大事故から人々を救助する物語だ。ネット世界のサンダーバードも正体は不明だが、某大手IT企業創始者が私財をはたいて世界中から集めたエキスパート集団という噂もある。

匿名でネット犯罪と戦う「義賊」は、サンダーバードだけではない。最近密かに話題を呼んでいるのが、ネット犯罪者のサーバーを襲って攻撃する「バットマン&ロビン」である。これはアメコミや映画ではなく、1970年代にニューヨーク市警察で活躍した実在の警察官、通称「スーパーコップ」の二人組にちなんだもの。二人はポリスアカデミー卒業直後から、交通整理や書類仕事を嫌って少々強引な潜入捜査やガサ入れを行い、数百件もの銃の押収や麻薬取引の摘発を成し遂げた。犯罪者からも「バットマンとロビン」の渾名で恐れられ、またリスペクトもされたという。

サンダーバードもスーパーコップも、ネットがなかった時代に生まれたもの。正義の形はいつの時代も変わらないらしい。

※4月1日はエイプリルフール