STROH VIOLINの鳴るしくみ

(同じ記事を2回出してしまった。予約投稿を間違ってしまったらしい。取り替えるのも変なので、本来の今日の分を追加した。)

STROH VIOLINと普通のバイオリンとは、その外観だけでなく、音が鳴るしくみがかなり違う。一般のバイオリンのブリッジは胴の上に直接乗っていて、弦の振動を胴に伝えて、内部の空間で共鳴させている。STROH VIOLINのブリッジは金具(A)の上に置かれている。金具の端には木の棒(B)がついていて、薄い円筒型の箱(D)の中の金属の薄板(C)を振動させる。ここまで伝わった音は、ラッパ管(E)で増幅される。

このブリッジ部分の代わりに、レコードと針を置けば、ゼンマイ式の蓄音機のしくみと同じになるはずだ。

STROH VIOLINの音色は、昔の蓄音機そのものである。哀愁を帯びた金属的な音で、低音がカットされたような平坦な音なので、美しいとは言えないが味わいがある。ラッパの口が向こうへ向いてしまってるので、音量がどれくらいかわかりにくいが、それほどけたたましいものではない。

バイオリンにラッパをつけて音を増幅する楽器はSTROH VIOLIN以外にも何種類かあって、ほぼバイオリンの原型のまま、胴の一部からラッパを出して音を増幅するものもある。いずれにせよバイオリンの音量を大きくしたいというところから生まれた工夫だ。一説によれば天下の名器と言われるバイオリンの条件は、音色の良さもさることながら、第一に音量が大きいことらしい。名高い名工たちはバイオリンの素材や仕上げの精密さで音量の問題を工夫したが、蓄音機が発明されたことで、その原理を応用したのがSTROHVIOLINということだろう。

STROH VIOLINの構造

STROH VIOLINは重さが2キロもある。金属のラッパがついてるのだから当然だが、普通のバイオリンが500グラムほどだから、同じようにあごに挟んだだけで手放しで支えることはできない。買う前にそこが心配だったが、持ってみるとラッパが二の腕に乗っかる感じで、やや重さが軽減される感じがする。まっとうなプレイヤーなら、そこが邪魔だと感じるのかもしれないが、本体が重くてフラフラ動かないので、運指が安定するような気がする。もちろん、高低差の大きいポジションを素早く行き来するような曲は難しいだろう。

STROH VIOLINのヘッド部の巻き上げはギヤである。木のペグに取り替えることも、ヘッド部分に穴を開け直せばできるかもしれない。ただし、この部分を普通のバイオリン用の既製品ととりかえてしまうのは無理なようだ。STROH VIOLINは胴の代わりに木の棒が本体になっていて、一体構造だ。材質も家具などにつかうような堅牢そうなもので作っている。ネット上では、普通のバイオリン用のネックや指板までパーツ売りしてるので、これらがそのまま使えたら面白かったのだが。

Blues&JazzのPlay Along

以前にも紹介したChristian Hawes氏の動画。簡単なブルースのPlayAlong動画で、キーはD。

Dのブルース。コード進行は DDDD/GGDD/AGDA のはず

Play Alongというのは見て分かる通り、先生の演奏した直後に同じフレーズを弾く練習のこと。我々には個人指導でない限り、こうした練習を受ける機会はなく、しかもバイオリンだとポピュラー音楽の指導を受けるのは難しいだろう。

1対1で先生と交互に弾いてみせるやりかたは、いわば落語家や歌舞伎役者、僧侶が入門した弟子を指導する時と同じで、非常に贅沢な指導法だ。まして相手はバークレーのジャズ・バイオリンの先生である。自分程度の者がこれを見られるだけでも、youtubeの恩恵と言わなければならない。

これまでこの人の動画は、日頃はプロ志望者を相手にしているだけあって、かなりレベルが高かったが、最近になって連日のようにごく簡単なフレーズのPlay Alongを公開し始めた。小中学生も対象としているせいか、妙にニコニコ顔なのが気になるが。

楽譜なしで頭に浮かんだ音をアドリブできるようになるためには、まず楽譜どおりの演奏を極めなければならない、と思ってる人が多いようだ。が、実際にはアドリブにはアドリブのための独自の練習が必要だ。コードやスケールの音と指の位置と同時に、ブルースやJAZZのフィーリングを持ったリズムを身につけなければならないが、Play Along動画なら難しく考えることなく、ただ何度でも先生のマネをすればいい。また、繰り返し聞いてるだけで、アドリブフレーズの蓄えができたり、自分のパートが入るタイミングが身についたりと、良いことづくしである。