クリスマスソング・ア・ラ・カルト

クリスマスにちなんだ名曲は多い.自分なりだが,おなじみなのが映画ダイ・ハード(1988)のラストシーンで流れる,「Let It Snow」(ヴォーン・モンロー)

マクレーン刑事がさんざんな目にあい,命からがら助かった後に流れるレトロでのどかな曲.力任せにハッピー・エンドめかしてしまおうというイタズラ心を感じさせて,楽しい.2も同じくクリスマスの夜に発生したテロ事件に巻き込まれ,一段とスケールアップしたしっちゃかめっちゃかの後,エンディングにこの曲が流れる.ちなみに3はクリスマスではないが,破壊度はさらにアップ.そしてその次はというと....同時多発テロが起こってしまい,4の公開はずっと遅れて2007年になってしまった.思えば,この映画の背景には,アメリカ国民の無意識のテロへの恐怖があったのかも知れない.

次の曲は洗濯機屋さんのCMで有名な,「すてきなホリディ」(竹内まりや)

サビしか知らなかったが,通して聞くとディズニーソングさながらの,健全で明るい名曲.幼稚に聞こえない明るい曲は,なかなか貴重だ.作曲が難しいのかもしれない.残念なことに版権やスポンサーの縛りがきついのか,クリスマス時期に,サビだけしか聞く機会がない.そのへんがオープンになれば,日本発のクリスマス・ソングのスタンダードになるかもしれないのに.

最後は「赤鼻のトナカイ」(ジョニーマークス)

「ジングルベル」「サンタが街にやってくる」と並ぶ,3大クリスマスソング.サンタのトナカイには昔からドナーやブリッツェンというように,それぞれ名前がある.赤鼻のトナカイの名前はルドルフだが,トナカイの中では新顔で,有名な誕生秘話がある.歌はその童話をもとに1948年に作曲された.
その後1964年,NBCテレビで,同名のアニメーション作品が放送された.製作は日本の人形アニメ製作会社「MOMプロダクション」.以来この作品は,クリスマス・シーズンにアメリカの親が子供に見せる番組として,現在まで毎年放送され続けている.また,DVDも現在でも毎年100万枚ずつ販売されており,総計は1200万枚になるという.つまり,ほとんどのアメリカ人は,子供時代にこのアニメ作品を見て育っている.

オールド・バイオリンはなぜ高い

ただでさえ初心者な上,年も年なので,覚えるのは遅く忘れるのは速い.だからなるべく毎日バイオリンに触ることにしている.ほんの5分程度,スケールを数回行き来するだけのことも多い.だがそうしていると,ほとんど調律の必要がなくなり,長い間松脂を塗らなくても音が出る.
だがどうしても触ることもできない日もあるのだが,このあいだ,数日放置しておいたら,一番高いEの弦が,急にかすれたように音が出なくなった.あわてて松脂を塗り,ややつま先立ちになっていたブリッジを直して,ようやく音が出るようになった.

そのときの観察では,ブリッジの設置位置がバイオリンの中心線より低い方にずれていた.同じ振動を与え続けていたことで,ブリッジ自体も振動し,脚の底面のデコボコ具合が納まりののいい場所まで移動してしまった,そんな感じである.私のブリッジの削り方が悪いのだろう.困ったことだが,ブリッジの削り方のヒントにはなったような気がする.
またブリッジの上部は,E弦だけが深く食い込んでいた.安物のブリッジは柔らかくて食い込みやすく,高級品は音色を損なわない程度に,程よい硬さなのかもしれない.それともブリッジは案外速いペースで交換しなければならないものなのか.また,このときのカスレ具合は,中古バイオリンが届いたときとよく似ていた.もしかしたら,ほんの数日弾かなかっただけで音が出なくなるような楽器なのか.

だとしたら,古いバイオリンの名品が豪邸を買えるほどの値段で取引されるのも納得がいく.1日数時間ずつ100年以上となると,安めの時給換算でも億のケタになってしまう.さらに希少性とプロ演奏者の時給などを考えると,豪邸並みは高くないのかもしれない.豪邸といえど,数ヶ月でできてしまうシロモノなのだから.

もちろんこういうバイオリンばかりじゃなく,元が悪かったり,扱いが正しくなかったせいで使い物にならなくなったもののほうが多いはずだ.一握りのものだけが年月の洗礼を受けて素晴らしい名品になるが,残りは廃棄される.なんだか,老成する人物とキレる年寄りの違いを言われているようで耳が痛い.

次回「ゲーム・オブ・スローンズ」(11/24公開予定)
乞うご期待!

ビブラート

ビブラートは難しい.ここ数ヶ月,時間を見つけて練習しているつもりなのだが,さっぱり条雑しない.この歳になって,未だにあきらめたほうがいいのか,もう少し続けたほうが良いのか見極めもつかないというのは珍しい.おまけに腕や手首が痛くなってくるので,そもそも年齢的に無理なのかと思うほどだ.
また,人差し指が多少動くようになっても,中指に換えると動きが止まってしまう.薬指や小指だとなおさらだ.これを曲の流れの中で,意識せずにできるようになるとしたら,年単位の修練が必要かもしれない.

しかし,ビブラートの練習は単調だが,決して退屈ではない.安定した長い音を出した上で振動させなければならないから,これまでいいかげんにやっていた弓の動きを見直すことができる.長い音のためには弓を根本から先端まで,まんべんなく使わなくてはならないが,今までどうも動きが楽な真ん中あたりばかり使っていたようだ.特に手元のほうになると,弓の角度が曲がって,となりの弦を触ったり,ギチギチ音が出たりする.また、中ほどから先の時は弓を弦の上に乗せてしまってもいいが,手元に来るとテコの原理で,それでは力がかかりすぎてしまので,持ち上げるくらいの気持ちが必要なようだ.
そして音程.最近は季節の変わり目以外は調律の必要もないくらいだが,練習中はチューナーをつけっぱなしにして,ビブラートによる指の位置ずれもチェックする.音程から弓の角度,手首の振動まですべてを同時に意識しながら弾くので,単調なロングトーンも,弾いてる方はスリリングで楽しい.

次回「ハラール」(10/26公開予定)
乞うご期待!