プロテクターのとりつけ

ブリッジのプロテクターさて、中古バイオリンに最初からついていたブリッジだが、弦の振動で掘れてしまった部分を広げ,補強材を入れてみた.同じ役割のものとして,プラスチックのチューブを通す方法もあるようだが,それをやっちゃおしまいな気がして,硬い木を使うことにした.また,そもそもこれをなんと呼ぶのか,検索してもはっきり出てなかったが、英語圏ではプロテクターという言い方があった.

このプロテクターに使う素材は黒檀が多く,象牙の微小片を乗せる場合もあるようだ.だが黒檀というのは,あまり好きな素材ではない.手元に端材があるのだが,黒檀は硬いと言っても,繊維の間に充填された樹脂が硬い感じで,削るときに妙な粘りがある.刃を入れるともろく崩れる場合があり,またヤスリがけすると表面が毛羽立つ.そして妙な匂いがする.微小片になると,それが悪い影響があるような気がして,もっと素直な硬さを持つ代替物として,オニグルミの殻か,松材などの節の部分を使うことを思いついた.

写真はオニグルミの殻の小片を組み込んだところ.きれいにブリッジと一体化させると,どこを補修したかわからなくなるので,削りあげる前に撮影した.こういう場合はタイトボンドを使えという記事があったが,とりあえず木工ボンドで接着した.ここまで削るのは案外大変で,せいぜい2.3ミリしかないので,指でつまんでヤスリがけの最中に,何度かピョンと飛ばしてしまった.床に這いつくばって,ゴミのような小片を探さなければならなかった.

ちなみに象牙というと,海外取引が禁じられていて,試してみたくてもできない素材のように思っていたが,ネットで検索すると端材がけっこう手頃な値段だった.判子や数珠の削りクズなのだろう.ほかのことはともかく,ブリッジのプロテクター用なら十分だ.激安バイオリンに象牙もないものだが.
同じく高級素材なら,黒檀と同じくらい固くて,しかも芳香を発する「白檀」がある.妙なる調べとともに得も言われぬ芳香が漂う,セレブなお嬢様バイオリニスト用として,高く売れないだろうか.代々名バイオリニストの手で受け継がれ,汗と垢にまみれて臭くなった天下の名器にこそ,欠かせないものじゃないだろうか.

次回「お金と時間/バイオリンの原資」(4/14公開予定)
乞うご期待

ヴィオラもいいなあ

最初の頃,まるまる1オクターブ下に調律してしまったことがある.電子チューナーは音ではなく,音程が合ったかどうか液晶画面に出るだけなので,オクターブ下でもAはAとしてOKが出てしまう.そのせいですぐに気がつかなかったのだが,低い音は耳が痛くならずなかなか良い感じだった.そこで最近,ヴィオラに興味が出てきた.

viola
これを見て、バイオリンと区別が付く人いるのかな

ヴィオラはバイオリンより低い音程の楽器だ.だからバイオリンよりひとまわりサイズが大きい、とずっと思っていた.が,決まったサイズというのはないらしく,バイオリンと同じサイズのものやjもっと小さいのまである.14インチ(356ミリ)だとバイオリンと同じだが,ヴィオラらしい音を出すには16インチ以上必要で,しかもなるべく大きいほうがいいという.最大のクラスになると体格的に日本人には難しいらしいが,それでもチューニングは同じなのだそうだ.

試しにバイオリンを弾くときのように,左手を上げて手首を内側に返してみてほしい.手はそれ以上ほとんど後ろへ行かないし,まっすぐ前へ突き出そうとしても,肘が伸びきらない.肩と肘をきめられたような姿勢で,このまま手首を掴んで後ろに押されると,体が転倒してしまう.ちょうど合気道の技の一種と同じ理屈だ.
というぐあいに,本当はもっと大きな,チェロとバイオリンの中間くらいの楽器があっても良かったのかもしれないが,腕がのびないから作らなかったのだろう.

オーケストラでは,縁の下の力持ち的な存在で,ヴィオラ中心の曲は少ないらしい.演奏者はたいていバイオリンからの転向者だが,数が少ないので,オーケストラに入りやすいらしい.ポピュラー・ジャンルのヴィオラ演奏者はさらに少ないが,音域が人間の声とほぼ同じだそうだから,ヴィオラ奏者のスターが出てもいいような気がする.

次回「プロテクターの取り付け」(4/10公開予定)
乞うご期待

突然の啓示

それは突然起こった.先日,いつものようにバイオリンを弾き始めると,それまでと違って,何を弾いても実にスムーズに演奏できるようになったのだ.楽譜やお手本動画の有無に関係なく,頭にフレーズが浮かんだら間髪をおかずに指が動き,弾いてしまう.いつも正しい音程を押さえられずに苦労していたのがウソのように,ミスもほとんどなくなっている.なぜ間違った音程を押さえてしまっていたのか,今となっては不思議にさえ思える.

おそらくは練習の成果というべきなのだろうが,毎日やっていたわけでもなく,やってもせいぜい15分程度である.これでは音楽家を目指して日々練習している若い人に申し訳ないくらいだが,実際,どんな曲でも簡単に弾けてしまうのだ.試しに普段弾かないクラシック曲をいくつかやってみたが,特に難しさを感じないのだ.

なぜ突然弾けるようになったのか.それはおそらくこういう理由だ.我々はたとえ楽器を弾かなくても,日常生活の中でさまざまな音楽に触れている.TVCMやドラマのBGM,打ち合わせに入った喫茶店の店内音楽など,意識してなくても頭の中の引き出しに入っていたのだろう.それが60年分ともなれば,相当な情報量になる.モーツァルトだってそんなに長い年月音楽に接していたわけではない.子供の頃にそれだけ音楽の知識があれば天才だが,歳をとっているというだけで,自然に蓄積されている.あとは指の動きがついていけるようになるだけだったのである.

このブログは,激安バイオリンで頑張るぞという主旨だったが,今はさすがに音色が情けない.すぐにでも虎の子をはたいて,できるだけ良いバイオリンを手に入れよう.そして近いうちに,地元のオーケストラのオーディションに挑戦してみよう.合格とはいかないまでも,1年未満という経験年数に驚く顔が見えるようだ.

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4月1日はエイプリルフールです.
次回4月6日からは,また真面目に書きます.