李子柒 / 里芋、タロイモ、唐辛子

今回の李子柒は里芋とタロイモ、そして唐辛子。里芋はスーパーには出回るが北海道では栽培していない。タロイモは南方のイモで、米、小麦、トウモロコシ、バナナと並んで人類の主食だった食品だが、我々にはなじみがない。見かけは京いもに似ている。ちなみにタロイモも里芋も類縁で、英語では同じ名前だ。

イモ類は根を付けたまま土間に広げた。このまま放置しても多分傷まずに、来年も種芋に使えるのだろう。動画の舞台である四川省は暑いところのように思っていたが、成都では冬も氷点下にはならないが、山間部では日中も零下の場所もある。雪が積もった動画もあるので、ほどほどに寒い場所のようだ。北海道並みならイモが凍ってしまうので、新潟くらいだろうか。
さて、タロイモは、カボチャ、紫芋などと一緒に蒸して潰し、団子にした。味付けは黒砂糖なので、ぜんざいのようなものだと思う。そして里芋は、この動画では断末魔の悲鳴でおなじみの、鶏と一緒に唐辛子醤で煮込んだ。

唐辛子はニンニクなどと一緒に塩漬けにして、自家製の醤(ジャン)にした。唐辛子ペーストは世界中のいろいろな国で、家庭でも作られていて、お好みの素材と一緒に塩、酢、オイルなどにつけて保存すれば簡単にでき、既製品より味も良い。我が家では豆鼓や海老の殻、ゴマなどと一緒に酢漬けにして常備している。餃子などにつけると旨い。

李子柒 / カボチャ、落花生、紫米

今回の李子柒はカボチャ、落花生、紫米。紫米というのは日本で黒米という品種らしい。

このシリーズは、最近コマ落としシーンが多い。すべての作業を自力でやってるところを見せるのは、ヤラセの指摘が多いのかもしれない。また、テーマになる作物やメニューも多い。日本のタレント農業番組なら、アイドルのトークで尺を稼いで、数週分を作れるネタを20分ほどにしている感じだ。何でも手作業かと思えば、稲刈りはコンバインだった。何でも一人でやるのが、シリーズのコンセプトなのかもしれない。このへんもタレント農業番組なら、コンバインを持ってる農家からも人手を集めて、敢えて手作業にしていたところだ。

今回のハイライトはカボチャのツルを手でネジ切るシーン。あれは。自分の若い頃でもできなかっただろうと思う。また、めずらしくボカシがはいった部分には、〇〇エモンがついていたようだ。

李子柒 / スイカ ブドウ

今回の李子柒は、スイカとブドウ。ツル物つながりかも。

知人が家庭菜園でスイカを作っている。と言っても苗を一株くらいだが、あの縞模様はかなりカモフラージュ効果が高いらしく、花が咲いたのはすぐわかるが実は随分と大きくなるまで気が付かないらしい。毎日畑を観ていて、ある日突然足元にスイカが転がっていて驚くという。
また、収穫のタイミングが難しいらしい。栽培初年度は素人はそれほど大きくできないだろうと、適当に収穫したら中心までの半分くらいが白かった。また別な年は、雨が降ったら一晩で破裂した。そのギリギリを見極めるのが面白いらしく、普通の断面のスカができたときには、わざわざ見せに来た。スイカはギャンブルになるらしい。

動画では、赤い部分はもちろん、白い部分を料理にしただけでなく、表面の緑色の皮まで干してお茶にしていた。今回はなかったが、スイカの種は中国の定番おやつだから、まるごと食べ尽くせることになる。

ブドウは生食品種なので、発酵させるには糖分が足りないため、角砂糖で補い、イーストを入れていた。イーストは入れなくても、皮の天然酵母だけで発酵する。パンづくりをする人なら知ってるだろう。

ちなみに、日本で動画のやり方でぶどう酒を作ると、酒税法違反になる。10年以下の懲役又は100万円以下の罰金である。だから私もこればかりはやったことがないので、ちっとも懐かしくない。生食用品種ではうまく行ったり行かなかったりするので、砂糖を入れることを思いついたら、酒屋の友人に「それは『補糖』と呼ばれる技術で、日照時間が少なく糖度の高いブドウがとれないドイツなどでのワイン造りでは一般的」と感心された、というような良い思い出も、ない。