
平面イラストの建物正面図に、窓などをちょっと引っ込めただけの建物。立体的になって、案外それらしく見える。イラストではなく、写真を使えばさらにリアルになる。CGで作った映画背景のなかには、その程度のものも随分あるらしい。セットを組んだりロケに比べれば、ずっと短時間で済む。それもまたCGならではの利用法だ。



船着き場にあって、もやい綱をひっかけるマッシュルームのような形をしたものは、「ボラード」という名前だと知った。ああいう不定形なものをCGで造形するのは苦手だが、挑戦してみたので、ついでに豪華客船も置いた。とはいえ、ただの壁で船体までは作っていないが、船に見えるだろうか。
豪華客船といえばタイタニックのような巨大な船は、船倉がいくつもの隔壁で仕切られていて、どこかが浸水しても防水扉で密閉できるので、本来なかなか沈まないものらしい。タイタニックの沈没は巨大氷山にぶつかったのが原因だが、激突というほどではなく、横っ腹を擦ったようなぶつかり方だった。大きなショックもなかったので、船長は持ちこたえるのではと期待したらしいが、傷は浅かったが長々と多くの隔室を横断していたので、閉鎖が追いつかなかったらしい。
昨年沈んだロシア黒海艦隊の旗艦モスクワの場合も、ミサイルの2発程度で沈むはずのない船だった。隠れるところのない海の上にいる戦艦は、ある程度の被弾は覚悟の上であり、浸水箇所はただちに船員が閉鎖してしまうはずなのだが、どうやら扉を閉める訓練をしっかりしなかったのもむざむざ沈没した原因のようだ。巨大船も、結局人間の力で浮いているということらしい。


ラーメン屋は誰でも始められる。日本中のあらゆる”ラーメン店”について精通しているコンサルタントがいて、依頼者がどんな系統の味を出したいと言っても、それに合う専門店で何日か研修を受けさせ、その間に開店準備を進める。物件探しから店舗設計、仕入れ先の選定、広告やオープンのサポート要員の手配、諸届けまで、素人でもたちまちプロとして万全の準備を整えてくれる。
依頼者のやることは、主に店のコンセプトや店名を考えること。例えば「伝統的な中にも、驚きのある味 ラーメン宅悦」と決めたら、あっという間に筆文字のロゴと戸板をモチーフにしたマークを作ってくれる、という具合だ。そして最も大切なことは、コンサル費を払うこと。それさえできていれば、味とかどうとかは大した問題じゃない。
CG技術としては何の工夫もないが、凝ったものだけでなく思いついたものを簡単にすぐ形にするのも、CGの使い方の王道だと思う。
