タイトル画像の話 メリー、クリスマス!

街なかにクリスマスの飾りつけが登場すると、年末らしさを感じる。私の世代にとっても子供時代からある行事だし、年越しや正月よりもシーズンが長いので、もしかしたら一年で一番季節感を感じる行事かもしれない。

さて今回は、氷でできた文字のカット面に、クリスマスの飾りつけが映り込むという効果を狙った。言葉にすると申し分ないが、CGで氷のように透過や反射する物質を表現するのはなかなか難しい。上手い人なら、一枚のカットの中で、グラスと氷とウォッカの微妙な透明さや反射具合を表現し分けたりできるのだが、ズルをした。全く透過しない物質の表面に、飾りつけの画像を貼り付け、ところどころお絵かきソフトでハイライトを書き込んで仕上げたのである。もしズルをしなければ、透過率や反射率、照明の設置箇所や強さをちょっと変えては試しに書き出してみる作業を繰り返すことになる。

背景は白一色の雪景色だが、最近は北海道でもクリスマスが雪景色にならないこともある。昔なら背景のような風景は、わざわざ雪原まで行かなくても、ご近所でもいくらでも見られた。真っ白で何も見えないので、ビルが建ってようと雪原だろうと変わらなかった。
最近は見かけないとはいえ、心の奥底には残っているのでいつでも思い出すことができる。いわば原風景なのだが、決して懐かしいわけではない。その時の寒さが体に染み込んでいるのか、作りながらなんとなく肌寒い気がしてきて、思わず暖房を上げたくなった。

タイトル画像の話 / 錆と汚れ

CGを作っていると、錆や汚れ、コンクリートのざらついた表面などが好きになる。本当に表面が荒れているのではなく、単純なツルツルの平面なのに、錆の画像などを貼り付けただけでそれらしく見えてしまうからだ。

また、こういう素材の表面は光が反射することがないので、光線の当たり具合で色合いが変わったり周囲の不要な物まで写し込んでしまうこともない。錆の表面はざらついているという、見る側の思い込みに乗っかって楽をしているのだ。
だが、そういう錯覚が仇になることもある。今回も油差しと汚れた布を作ったのだが、茶色のはずの油汚れ部分がどうしても血に見えてしまうのだ。人間の視覚が、血の色に過敏にできているのだと思う。

タイトル画像の話 / 雑誌とキーボード

昭和時代のCGでは、開いた雑誌のページを作るのがちょっとやっかいで敬遠していたが、Blenderなら一発。もっともらしい紙面づくりを楽しむことができた。

それだけでは寂しいので電子楽器のバーチャルなキーボードを投影させることを思いついた。PC用にそういうのがあったので、楽器にもあるだろうと。だが、それがやっかいだった。密閉した箱の中に光源を置き、底面にキーボードの形の穴をあけて漏れた光をデスクに投影する。理屈はそうなのだが、穴の切り抜きや光源の位置の調整などがけっこう面倒だった。

ちなみにロゴは某有名メーカーではなくハマヤ。見えづらいが、マークも音叉ではなく3本の破魔矢だ。そういうしょうもないおふざけはCGより得意だ。