タイトル画像の話 / 人間劇場

雄大な自然や歴史的遺跡、最新の機械や建築物など、世の中には興味深いものが限りなくあるが、人間の面白さはまた格別だ。とりわけ高齢者は、何も言わずにその場にいるだけで、その人なりの考え方やそれまでの生き方がにじみ出てくる。

今回の絵はわざわざ3DCGを使わずとも、Photoshopなどでも十分できた作品ではある。むしろそのほうができが良かったかも知れない。四角い画像の背景を透明にして、人物だけを切り抜くという、ちょっと苦手だった作業の練習だった。とりわけ「ノード」という作業環境に慣れておきたかった。

高度なソフトウェアは、機能が豊富な分だけ画面がメニューだらけで、しかもそれぞれのメニュー項目のさらに深い部分にも、無数のメニューが隠れていたりする。そこで無数にある項目の中から関連する部分だけカードに書き出し、配置を替えたり結びつけたりして、作業工程全体を画像的に把握できるようにしたのがノードだ。

ノードはCGだけでなくさまざまなシステムに採用されているインターフェース技術なので、現代のビジネスマンには常識化してるのかも知れないが、新しい概念なので、年寄にはなかなか理解しづらい。使いこなせれば便利だというのだが、ジェット機の操縦席を見せられて、「使いこなせればニューヨークまでひとっ飛びだから便利」と言われるような気分である。

画面の下部が「ノード」で作業中の様子。右の人物の画の元絵、表面の光沢などの設定データをまとめたカードを並べ、線をつなぐだけで設定が加わったり変更したりできる。別な対象物に同じ条件をあてはめるのも簡単だ。が、説明できたからと言って、うまく使えてるわけではない。

この手法が気に入ったので、人間劇場第二幕も公開。タイトルには使わない予定。(画像クリックで拡大)

タイトル画像の話 / イラストの街並み

平面イラストの建物正面図に、窓などをちょっと引っ込めただけの建物。立体的になって、案外それらしく見える。イラストではなく、写真を使えばさらにリアルになる。CGで作った映画背景のなかには、その程度のものも随分あるらしい。セットを組んだりロケに比べれば、ずっと短時間で済む。それもまたCGならではの利用法だ。

タイトル画像の話 / ボラード

船着き場にあって、もやい綱をひっかけるマッシュルームのような形をしたものは、「ボラード」という名前だと知った。ああいう不定形なものをCGで造形するのは苦手だが、挑戦してみたので、ついでに豪華客船も置いた。とはいえ、ただの壁で船体までは作っていないが、船に見えるだろうか。

豪華客船といえばタイタニックのような巨大な船は、船倉がいくつもの隔壁で仕切られていて、どこかが浸水しても防水扉で密閉できるので、本来なかなか沈まないものらしい。タイタニックの沈没は巨大氷山にぶつかったのが原因だが、激突というほどではなく、横っ腹を擦ったようなぶつかり方だった。大きなショックもなかったので、船長は持ちこたえるのではと期待したらしいが、傷は浅かったが長々と多くの隔室を横断していたので、閉鎖が追いつかなかったらしい。

昨年沈んだロシア黒海艦隊の旗艦モスクワの場合も、ミサイルの2発程度で沈むはずのない船だった。隠れるところのない海の上にいる戦艦は、ある程度の被弾は覚悟の上であり、浸水箇所はただちに船員が閉鎖してしまうはずなのだが、どうやら扉を閉める訓練をしっかりしなかったのもむざむざ沈没した原因のようだ。巨大船も、結局人間の力で浮いているということらしい。