キャラクターを作ってみた / パンタローネ

これまでいくつかCGでキャラクターを作った。あまり得手ではないので、シリーズ化は断念したつもりだったが、このところキャラクター新作とザビエルの謎の記事へのアクセスが増えてきた。となると欲が出るもので、新作に挑戦してみた。

テーマは、イタリアの仮面喜劇コメディア・デラルテの配役の一人、パンタローネである。金持ち、欲深、色欲旺盛な老商人で、若い恋人たちの邪魔をしたりする憎まれ役。お達者とも言う。私は藤田和日郎のマンガ、からくりサーカスで知った。姿はわかってるつもりで下調べなしに作ったら、本物は全然太っていなかった。せっかくなのでそのまま公開したが、当たらずとも遠からずと思うがどうだろう。
CGキャラクターはVTUBERのアバターとして世に満ち溢れている。そのほとんどがカートゥーンレンダリング(3次元CGだが、仕上がりが平面のアニメ調に見える表現)のものが多いが、見かけ以上に高度な技術と創造性が必要なので、とても真似はできない。また、トイ・ストーリーのように立体感のある造形も、ハイスペックなコンピュータ環境が必要なので、これも難しい。なのでその昔の「ひょっこりひょうたん島」のような、人形風キャラクターにしている。
ちなみにコメディア・デラルテの仮面と、有名なベニスのカーニバルの仮面とは共通点がありそうだが、それほど直接的な関係ではないらしい。

タイトル画像の話 / 汚れや傷の効用

生成AIの登場で、手間のかかる3DCGは、伝統工芸の仲間入りかもしれないと思うことがある。1980年代に初めて本格的なCGシステムを購入したときのことを思えば隔世の感がある。立方体などの単純な形を積み重ねたり伸縮変形させて、望み通りの形を作り、表面の色や光沢を選んで仕上げるのだが、人間に見せるにはただ「完璧」なだけではなく「それらしく見える」演出が必要になってくる。

特に、傷や汚れのあるものはリアルに見えるので、好んで使われる手法だが、その傷や汚れも作ってやる必要がある。今回の画像の古くなって剥がれ落ちた塗装なども、破片をひとつひとつ作って床面に配置している。ひび割れ方も工夫が必要で、「Y」のように縁からはがれているとそれらしく見えるが、「L」のようなはがれかたはあまりリアリティを感じない。とはいえ、現実の古い壁がどれも縁から剥がれるわけではなく、あくまで人間の思い込みがそうなってるということだ。
背景の金色も、マニュアルには金の素材感を出すための三原色の比率や光沢などのパラメータが紹介されているが、その通り作ってもただの黄色い壁にしか見えないことが多い。今回は、黄色の多いイラストをうんと拡大してはりつけたもので、金のパラメータは使っていない。こうすると完璧に磨き上げられた金の壁ではないものの、ところどころくすんでいたり、周囲がぼやけて映り込むといった「現実社会で見たことのある」金工芸品などの表面に近づく。CGとは、バーチャルなデータを操作するのではなく、現実社会の観察と人間の心の洞察から生まれるものなのだ。
(※伝統工芸の匠になりきった気分で書いてみました。)

タイトル画像の話 / Googies

こういう、いかにもレトロなアメリカ風で、どことなく懐かしさを感じる看板や建物のスタイルをGoogies(グーギーズ)というらしい。もともとは1950年にロサンゼルスに誕生したグーギーズコーヒーショップというレストランから始まったという。アメリカは新しい国だけあって、日本人からすればまだ「歴史的」とは言えないような時代の物品にも愛好家がいる。けっこう近年の工業製品でも、ネットオークションなどでアンティークとして取引されている。グーギーズな電気製品などもアメリカでは十分骨董品だ。

グーギーズなセンスは好きなのだが、マネしようとするとなかなか難しく、PCには作りかけが何点もある。看板の文言はお手本の写真からもらったもので「BOWL」はボーリングのことらしい。「球」の英訳は「ball」で、「bowl」を検索すると鉢のほうのボールが出る。一方アメフトのスーパーボールも「bowl」だ。

ちなみにこのころグーギーズなカフェに集うアメリカ人は、八頭身のスーパーマンみたいな体格というイメージがあったが、今アメリカ人と言えば超肥満体が頭に浮かぶ。実はそんな風になったのは21世紀になってからのことで、それ以前のアメリカ人は確かにスマートだったらしい。21世紀に入って、何があったんだろうか?