合奏

日本では、音楽の基本はクラシックで、何より大事なのは正確な音程。合奏は、正しい音程が出せるようになってから、と考えている人が多いような気がする。でも、クラシック音楽というのは、天才が作曲して天才たちが演奏する音楽で、アマチュアが楽しむにはあまりふさわしくない。楽器を演奏する人すべてがオーケストラのメンバーを目指すわけではなく、どちらかと言えばホームパーティや友人同士の飲み会を盛り上げられれば上出来という人のほうが多いだろう。
下手が下手なりに楽しむには、合奏がうってつけだ。ジャズやポピュラーのミュージシャンには、基礎も何もないのに成り行きでバンドのメンバーにされてしまったのがきっかけという人も多い。ジプシーの家族なら、日々の稼ぎのために、子供のうちから楽器を持って街角に立たされたかもしれない。ポピュラー音楽は、一人で基礎からコツコツというより、立ってるだけでも良いから合奏というほうが良いような気がする。
一緒にやってくれる仲間を見つけるのは難しいが、一人で弾いてると失敗が目立つが、仲間との合奏ならテンポさえあってれば、多少の音程の違いはごまかされる。手が止まってしまっても曲はちゃんと先に進んでくれるので、お互いに笑って済ませられるし、渾身のソロがうまく言ったときなど「やったね」という感じで笑いあえる。
小学校の音楽で、1時間だけでもブルースの基本を教えておいてくれればと思う。その日のうちにそれなりの合奏ができるようになるし、ほとんどの人が、その後の人生でクラシックよりずっとたくさん聞くことになる、ポピュラー・ミュージックをより楽しく聞くことができるようになるのにと思う。

カテゴリー「Bluesへの道」

移調ソフトがあった!

当サイトで、目立たないながら着実に来訪者が途切れない記事が、「転調ソフトがあった!」である。実はこの記事で書いたのは、曲の調を変える「移調」の意味で、転調とは曲の途中で調を変えることだ。間違いに気づいたが、同じように勘違いして検索する人のためにそのままにしておいた。どのみち記事中で紹介したDARU/PITCH-SHIFTERは移調もできる。

ただし、記事中でyoutube動画の音声を移調するまでの手順で、動画をmp3音源に変換するという、大事なポイントをわざと書かなかった。そういう変換をしてくれるサイトがあるのだが、なんとなくグレーな感じがしたためだ。同様のサイトはほかにもあるので検索すればもっと良いサイトやアプリが見つかるかもしれない。が、くれぐれも義使用は自己責任で。また、すべてのyoutube動画で使用可能というわけではなく、新しい動画はそれなりに対抗策が講じられているようだ。いずれにせよ、音楽愛好家には、ネット時代ならではの恩恵だと思う。

バイオリンと体調

バイオリンの練習を続けていると、演奏の出来具合が心身のコンディションを反映しているなと感じる。仕事なら多少気分が乗らなくても、体調が優れなくても何とか仕上げてしまえるが、楽器はごまかしがきかない。

調子がいい日はミスも少なく、次は難所だから要注意というように、今弾いているメロディの先まで思い浮かべながら余裕を持って弾ける。調子の悪い日は、何度繰り返してもだんだん出来が悪くなり、気分も沈んでいく。それ以外の日は、スタート時にガタガタでも、弾いてる内に調子が出てきて、いい練習になったなと思いながら終えることが多い。こういう尻上がりの日は、その他のことでも積極的に取り組める気がしてくる。朝弾く機会は少ないが、一日の始まりからこういう気分になれた日は、その後の諸々についてもスムーズだ。もっともこれはそう感じるというだけで、悦に入って演奏してても他人が聞くと、いちだんとひどくなってるかもしれない。そろそろ録音をとってみようかとも思うが、まだ厳しい現実に直面する勇気が出ない。

何が違うのか考えてみると、調子の悪い日は、たいてい寝不足しているようだ。日常生活ならほとんど気にならない程度の寝不足でも、コンディションが悪くなっているのだろう。また、音程が決まらないときは、爪が伸びていることが多い。バイオリンには爪はいらないという人もいるくらいで、指先より爪が先に指板にあたってしまうと、押さえる位置があやふやになってしまう。また、弓の張り具合がいつもと変わってたり、毛に松脂が不足してたりすると、自信なさげな音になる。特に松脂は一度塗ると思ったより長い時間音が出るので気が付きにくいが、試しに塗り直すと音色が急に良くなったりする。まあ、当たり前なのだろうけど。