ヴァイオリンの消耗品

ヴァイオリンには100年以上も使われ続けてきた名品があるくらいだから、本体の寿命は長いのだろうが、それ以外のものは、けっこう寿命が短い。まず弓は半年くらいで交換するのが理想らしい。弓は寿命が来ると毛が抜け始め、見るからにまばらで寂しくなってくる。弦に擦れて切れるだけでなく、毛を束ねている元が劣化するのではないかと思う。また、毛自体が伸びてきて、張力を強めてもピンと張らなくなってくる。きちんと練習する人なら劣化も早いので、それこそ半年で取り替えなくてはならなくなるのかもしれない。私は2年以上使っているが。
ただし、毛だけを取り替えることはできるらしい。

この他、弦も消耗品だ。弦は弓以上に頻繁に交換しなければならないようだ。ギターと同様か、ギターより頻繁に替えたほうがいいのかもしれない。松脂も使うほどに当然減っていく。新品は琥珀色のカンロ飴状態だが、ヒビが入ったら交換したほうが良いと言われている。もし欠けてしまい、欠片が毛の間に入ったらまずいからだろうが、凹型にすり減った松脂は、練習の証拠のような気がして愛着があり、ヒビのまま使っている。

長い目で見ればブリッジも振動で弦が食い込んでいくので、交換か修繕をしなければならないようだ。また、ヴァイオリンのヘッド部分のペグを差し込む穴も、長年力をこめて回し続けると削れていくので、ペグを交換し太い部分できちっとはまるようにするらしい。

初心者でも良いバイオリンを手にしたほうが良いに決まってるが、付属品、消耗品を高価な本体に見合うようなものにすれば、数年で消耗品の費用合計が本体を上回るような気がする。

新しい音楽

人間は中年ころから新しい音楽に興味を持てなくなる。さらに高齢になると、音楽を楽しんでいる人でも、聞くのは若い頃に知った曲だけで、新しい曲は覚えられない。という学者の研究があるそうだ。
いや、それはないだろう。少なくとも自分なら、初めて聞く曲でもものの2、3回聞けば、鼻歌で歌えるようになるはずだ。なんなら試してみようじゃないか、ということで、今まで聞いたことがなかったが、良い曲だと思ったものを覚えることにした。

選んだのはリベルタンゴで知られるアストル・ピアソラの「oblivion」。もちろん非常に有名な曲なのだが、タンゴはあまり詳しくなかったので、私は知らなかった。でも、ゆったりとしたきれいな曲だな、これなら…と思って、2.3回聞いた後で脳内で再生しようとすると...あれれ?

楽器の音色や雰囲気は思い出すのだが、メロディが出てこない。これはまずいぞということで、時間の許す限り、作業中でもBGMとして聞いて耳タコ状態にし、何十回か聞いた頃には脳内再生もバッチリになった。と思って、今度は外出中に鼻歌で歌ってみると、出だしはスムーズだったが、途中から違う曲のフレーズが混じってきた。やはり寄る年波には勝てない部分があるようだ。

※動画は、イタリアのマリオ・ステファノ・ピエトロダルキというアーチスト。まだ30代で、数々の賞を獲得したと言うから、これから有名になっていくかもしれない。それにしても、演奏中の陶酔っぷりは大したものだ。これに比べればロックなどの激しいステージ・パフォーマンスも、まだまだショーっぽい感じがする。

見つけた!

youtube動画で、オーケストラのバイオリニストが4本の弦全てにファインチューナーを付けてるのを発見した。しかも、多分雑音などを抑えるためなのだろうが、ブリッジ付近に怪しい装置まで付けてる。そうかあ、なんでもアリなんだ。何か上達に差し障りがあるのかと思って、第一弦以外につけずにいたが、下手くそのくせに、かっこつける必要なかったかな。それより、さっさとファインチューナをつけて正しい調律にしたほうがいいかもしれない。

それにしても、ときどきこういうふうに弓を寝かせて、毛の片側だけを当てて弾く場面を見かける。ベタっと幅広いメンを当てたほうが大きな音が出そうなので努めてそうしてきたが、弾き分けているのかもしれない。こういうことは、誰かに師事しないとわかりにくいことなのだろうと思う。

証拠の画像:鬼の首をとった気分である