ポピュラーバイオリンの指導者たち

インターネット上では、さまざまな楽器の指導者たちがYoutubeや自前のサイトで指導を行っている。バイオリンについていえば、クラシックの指導者が多くてポピュラーは少ないが、その分ポピュラー系は、実績や権威のある指導者がきめ細かいカリキュラムを提供しているように思える。単に楽器の持ち方、弾き方、練習曲のお手本だけでなく、ブルースやボサノバと言ったジャンルの違いや、スケールの用法、アドリブのしかたなど、やりたいこと知りたいことについてかなり具体的なノウハウが手に入る。

Christian Howes
ジャズバイオリニストでバークリー音楽院准教授。ジャズだけでなく、さまざまなポピュラー音楽の指導動画がアップされている。オンラインでのマンツーマン指導や、音楽キャンプも積極的。
https://christianhowes.com/
https://www.youtube.com/c/ChristianHowesJazzViolin

Jason Anick
ジプシージャズのスタイルとモダンジャズの感性を併せ持ったプレイヤー・バークリー音楽院で、ジャズヴァイオリンとマンドリンを指導中。動画による指導あり
https://www.jasonanick.com/
https://www.youtube.com/c/magicfiddle/featured

Tim Kliphuis
ジプシージャズスタイルのバイオリニストで、指導者。名著「Stephane Grappelli Gypsy Jazz Violin」の著者でもある。playalong動画多数。
https://www.timkliphuis.com/
https://www.youtube.com/channel/UC5kTVKTa8L40EhzHsLyIQ9A

下記の指導者はwikiなどに情報がなかったが、いずれも熱心に情報提供していので、演奏や指導のスタイルが合う人もいると思うので、チェックしてみるといいかもしれない。

Fiddlerman
https://fiddlerman.com/
https://www.youtube.com/channel/UC9SqCwMa4IWH2xiUDuatO8A

Thomas Fraioli
https://www.fiddlefrymusic.com/
https://www.youtube.com/c/ThomasFraioliViolin/videos
フレーズ集ダウンロード販売

Jeremy Cohen
いくつかのオーケストラのメンバーとして、映画音楽の制作に参加する他、指導者として活躍。サイトではポピュラーバイオリンのための練習曲集も販売中。
https://violinjazz.com/
https://www.youtube.com/watch?v=2G2VaBX24So

最後の人は、アメリカの音楽の先生で日曜に教会で演奏したりしている人らしい。動画を公開し、賛美歌等のアレンジ譜も販売している。錚々たるミュージシャンだけではなく、こういう普通っぽいおばさんの活動もネットの魅力で、密かにお気に入りだ。

SueTomlin
https://www.SueTomlin.com
https://www.youtube.com/channel/UClax0zo69Ei9oLPS92nGusg

鼻歌

楽器をやってる人は、「鼻歌が大事だ」と言う。弾きたい曲はいつも鼻歌で歌うようにしなさいという意味だ。鼻歌で歌えないようなら演奏もできない、と言われたこともある。プロの演奏には、楽譜にない装飾音が入っていたり、小節をまたいでテンポをずらしたりというような、細かい演出が施されている。その演出こそがプレイヤーの真価であり、そういう演出なしの楽譜通りだけなら魅力が半減してしまう。

名プレイヤーの演奏は、心に残る分、なんとなくわかったような気になってしまうが、自分で演奏しようとすると案外大事なところが頭に入ってないことに気がつく。楽譜にない演出部分までしっかり頭に入れるには、鼻歌が効果なのだそうだ。特に歩きながら鼻歌を歌うと、テンポを合わせる練習にもなる。お手本のプレイヤーが、わざとためを作ってタイミングをずらしていた部分などに気がつきやすい。
余談だが、英語圏のポピュラーソングが好きな人は多いが、英語は発音や強弱、音程の他に、リズムやテンポも聞き分ける言語なのだそうだ。ちょっとピンとこないが、同じ単語でも「タンタカタン」のリズムで発声するか、「タタンタタン」で発声するかで通じ方が違ってくるのかもしれない。だとすれば英語恐るべし、鼻歌練習こそごきげんプレイへの道である。

ところで、昔は仕事中でもなんでも、鼻歌まじりのごきげんな人をよく見かけたが、最近はめっきりいなくなった。同じ年寄りなら、キレる年寄りよりも鼻歌じいさんになろうと思う。

鼻歌を楽器の音に変えるソフトがある。サイトで試すこともできるようだ。
https://sites.research.google/tonetransfer

特訓!

「思い込んだら試練の道を..」という某アニメの影響か、いざというときは特訓というのが、我々世代の頭に染み込んでいる。そのせいか、後年の国民的アニメで主人公が、ピンチの際に力んだだけでスーパーなんちゃら人に進化したのには軽く失望したのを覚えている。特訓なきヒーローなどとうてい納得できなかったのだ。どっちにせよアニメの話だが。

社会人になって、仕事のスキルを身に着けようと思ったとき、特訓しようと考えた。そこで書店の新書の棚の前に立ち、テーマを選べないよう目をつぶって1冊抜き取り、1日で読み切るということ毎日続けたのだが、これは辛かった。大抵の本は一生縁がないようなジャンルのものなので、ちっとも頭に入らず、1行読んでは3行戻って読み返すような具合だったが、金がもったいなくてギブアップもできない。すらすらと頭に入る内容は先入観を後押ししてただけなので大した役に立たなかったが、3行戻りの苦行で得た知識は、後年なにかの折に思い出して役に立つことがあった。

ということで、バイオリンの練習についても、今年は特訓を計画していた。自宅だと10分も弾くとくたびれてやめてしまうので、カラオケで時間いっぱいやらざるを得ないようにしようと考えたのである。が、これは自粛せざるを得なくなった。なので来年ワクチンを打ったあかつきには、ぜひ再チャレンジするつもりだ。また、国の指定文化財である札幌豊平館のレンタルルームが1時間500円で使え、楽器練習にもどうぞとあるのを発見した。カラオケの次のステップはこれに決まった。ちなみに下手くそでも文化財への冒涜にならないか問い合わせてみたところ、OKと言って笑われた。