NASAのパーカー・ソーラー・プローブは、 2025年10月18日から11月5日まで、搭載のWISPR(太陽探査機用広視野撮像装置)を用いて、星間天体3I/ATLASを観測した。3I/ATLAS、太陽系外から太陽系にやってきた史上3番目の天体で、銀河系を70億年もさまよっているとも言われるが、太陽系に近づくのは今回限りである。特殊な形状から宇宙船という説まで出て話題になっていて、いくつかの宇宙探査ミッションで観察中だったが、太陽に近すぎて観測不能だった期間を、パーカーソーラープローブが観測していた。
Parker Solar Probe
パーカー・ソーラー・プローブ、25回目の太陽最接近成功。
パーカー太陽探査機は、2025年9月15日に25回目の太陽最接近飛行に成功。太陽表面から約620万kmの距離、速度は時速約687,000kmに達した。これは過去のフライバイの記録と同じ水準である。フライバイ期間は9月10日から9月20日で、この間、現在、活動が活発な段階にある太陽のコロナ内部からの測定を含む貴重な観測を実施。データの返送は9月23日から開始の予定である。
なお26回目以降の調査内容はこれから検討するとのことだが、当ミッションではこれまで大きなトラブルがなく、想定以上の耐久性を示してきたことから、さらに重要な調査が計画される模様だ。
ちなみにこのミッションも終盤に近づいているが、ブログでの追跡開始時点では翻訳の公開だけでも価値があった。そのうち自動翻訳が普及し、今はAIで日本語要約もすぐ手に入る。それだけにAIへの質問の良し悪しが問われることになった。そこで今後の延長ミッションの中止リスクを、可能性の大きなものから上げてもらった。すると、
・極端な高温・熱疲労による外壁などの劣化、高エネルギー粒子(太陽フレア・CME)による電子機器やセンサーのダメージ、微小隕石やダストとの衝突、などの環境由来のリスク。
・姿勢制御エンジンの摩耗や詰まりなどの劣化、ソーラーパネルの効率低下による電力供給の低下、アンテナや送信系統の劣化など、宇宙船そのもののリスク。
・NASAの予算配分や優先順位による延長打ち切りなど、運用、外的資源の制約。
などがあるという。
可能性では最下位であるものの、トランプ大統領が大鉈を振るっているだけに、突然の中止リスクは高まったような気がする。太陽に接近して観測するチャンスはそのタイミングにしかないのだから、いつでもできる勢力争いの犠牲になってほしくないものだと思う。
パーカー・ソーラー・プローブ、23回目の接近を完了
NASAのブログによれば、パーカー・ソーラー・プローブは3月22日に太陽への23回目の接近を完了し、太陽表面から約380万マイル(610万キロメートル)まで接近して自身の距離記録に並んだ。
以前の接近では、地球から見て宇宙船が太陽の反対側を観測したため、数日後に太陽の影から顔を出すまで宇宙船の安否がわからないことがあった。ブログのアニメーションを見ると、今回は地球と宇宙船が同じ側にいる。このため、通過の途中でもこうやってミッションの無事を知ることができた。信号の減衰なども少ないだろう。長い期間、同じことを繰り返しているようでいて、毎回少しずつ条件を変えながら観測している。巨大な太陽全体からすれば五劫の擦り切れのひと撫でくらいかもしれないが、パーカー・ソーラー・プローブの報告が届くたび、日常とかけ離れたとてつもない世界に想像が広がる。
