その昔、日本の古武道の棒術を習っていた。型の練習はストレッチとしても効果的なので、道場に行かなくなった後でも練習したかったが、硬い木の棒を振り回すのは公園でも河川敷でも物騒なので、いつしかやめてしまった。
面白い動画を見つけた。まるでカンフー映画の1シーンのようだが、純然たるエキササイズの指導である。これには良い点がいくつかあって、まず竹竿を使ってること。棒術で使う木の棒は、剣術の日本刀と同じく本身であり、殺傷力がある。竹竿なら軽くて値段も安く、万一人にぶつけても最小限度の被害で済む。また、棒術では掌中をスライドさせて突き出す技があるので節があるとまずいが、エキササイズにはそういう動きはなく、ゆっくり持ち替える程度だ。長さを術者の身長程度に切ってあるのがまたいい。棒術は6尺(182cm)でさらに長いのもあるが、これは多少取り回しで無理をしても少しでも長い得物で相手より優位を得たいがため。エキササイズなら両手を広げた長さ≠身長以上は必要ない。
そして、棒術の型にも通じることだが、棒をつかんだまま動くことで、手の位置や高さ、姿勢などが制約されて自然に最適な姿勢になる。運動量はラジオ体操より少し少ない程度だろう。ラジオ体操もインストラクターに指導されてやったら相当しんどいはずだが、大抵は手先だけの我流で済ませている。このエキササイズだと、棒がインストラクターの代わりに体の位置や動きのガイド役を果たすので、低リスクで体を締め上げてくれるだろう。動作の合間に、臍下丹田に手を置いて息を整えるのも良い。ひとつずつの動作をゆっくり行うのは、立て続けにちゃっちゃと済ますよりずっといいだろう。何より、ゴリゴリの武道や妙にスピリチュアルな感じにならずに終わってるのが良い。これまであるようでなかったエキササイズだと思う。
