アドリブへのアプローチ

楽器を弾くなら、間奏部分は自由にアドリブしてみたい。クラシック指向でないなら、誰でも考えることだろう。そして、主メロ部分がそれなりに弾けるようになると、ただ同じことを繰り返すのはつまらない。誰かが聞いてくれるという場合なら、なおさらくりかえしだけでは申し訳がない。下手でも自分なりの音楽に挑戦してみせ、「おっ!」と言わせてみたい。

そこで、アドリブへの近道と言われる、メロディに合ったコードスケールの練習をしてみた。が、スケールが弾けるようになっても、自分なりのフレーズが浮かんでこないのだ。まるで、原曲とは別の「スケール」という名前の新しい曲を練習しているような気分なのである。複雑なモダンジャズのスケールならなおさらである。情けない話だが、練習の量だけでは乗り越えられない、質的な壁があるように思えてならない。

次に考えたのは、間奏部分も主メロの繰り返しでいいから、ちょっとだけ装飾音を加えたりテンポを変えてみようと考えた。すると、割りといろいろなパターンが作り出せることに気がついた。特に、小節ごとの最初の音は主メロの音以外を使おうとすると、混乱して手が止まってしまったのだが、主メロと同じでいいやと居直ったら、比較的容易に装飾音をつけたりテンポをくずしたりできるようになった。また、それだけのことが面白いと感じられるようになった。なにも難しいことを我慢して繰り返すだけでなく、どんどん妥協して目標を下げていっても、新しい楽しさを発見できるのだ。

パブリック・ドメイン、ではありません!

今年1月から、サマータイムなどの名曲で知られるジョージ・ガーシュイン(1898-1937)の楽曲が、突然パブリック・ドメインではなくなったらしい。アメリカの著作権管理団体ASCAPによると、妻のアイラ・ガーシュイン(Ira Gershwin、1983年没)との共同制作物であることが判明したためだという。したがって去年までの使用分は大丈夫だが、今年から権利が復活し延長されるとか。

私は心の汚れた年寄りだから、こういう話を聞くと「ははあ、そう来たか」と思ってしまう。奥さんとの共同制作ねえ...。
「あなた、がんばって!」はい、共同制作。「この部分が素敵ね」はい、共同制作。実は当時30歳も年の離れた彼女がいたことがわかって、正妻との差別は許されないという判決が出たので...はい、共同制作。当時の録音に残っていた作曲家の声からAIでアバターを作ったので...はい、共同...ではない、本人が生き返ったのだから著作権復活。

では、アイラの没年が1983年というから、パブリック・ドメイン化するのは2034年から?アメリカは70年という話もあるから2054年?それとも遡及法は許されないということで、やっぱり2034年か?

今まで書いた、ガーシュインに関する記事も随時修正し、カテゴリーも「パブリック・ドメイン名曲集」から「パブリック・ドメインではありません!」に変えようと思う。一覧表のほうも、修正して公開したい。(気力が戻ったらね)

監視カメラ

中国で街頭の監視カメラの台数を増やし、AIによる顔認証システムで監視を強化すると発表した。

常にカメラで監視されるのは良い気分ではないが、果たして監視する側にとってそれほど有効なのか、昔から疑問だった。映画などでは、味方さえも信用しない冷徹な秘密組織のボスが、無数のモニター画面の前に立つ、という場面がよく出てくる。が、これではボスはトイレにも行けず、肝心の悪事を働く暇も、栄耀栄華を極める暇もなくモニターを見続けなければならない。
また見落としなく万全の状態で監視するとしたら、一人がチェックできるモニター台数は限られてくるし、1日中見張ろうと思えば3交代体制が必要だ。監視カメラを増やしても、運用のコストが莫大になってしまう。さらに、動画は動かぬ証拠とは言え、逆にターゲットの無罪を証明する証拠になってしまうかもしれないし、ハッキングされでもしたら取り返しのつかないことになる。

そこでAIの登場だ。AIを使えば監視人数をずっと減らすことができるし、モニターさえ不要になる。なんならカメラも本物ではなく、ダミーでいいだろう。必要なのはごく普通のPCとプリンター。キーボードで「怪しいと思う人物」の名前を打ち込むと、プリンターからその名前が印刷されて出てくる。これを持って押しかけてしょっ引けばいい。とやかく口答えしても「AIが判定したのだ」と、問答無用で押し通せる。そういうことなんじゃないかな。