私はテフロンのフライパンが嫌いだ。最初に登場した時に使って、あまりの耐久力のなさに、自分が使う道具ではないと見限って以来買ってない。道具は何十年も使えて当然という考えなので、フライパン大小のほか、中華鍋、餃子鍋、近年は鋳鉄のスキレットも手に入れたし、以前はポイキー(※)というアフリカ製の鋳鉄の深鍋も使っていた。むろん包丁類もすべて鉄製で、そういう暮らしを半世紀以上続けている。
なのに先日、健診で貧血気味と言われた。高血圧で通院中だというのに貧血とは。我が身が生き証人なので医学的に矛盾はないのだろうが、河童の川流れ的なカッコ悪さを感じる。鉄製調理器具には意味がなかったのか、それとも使ってなかったらもっと早く貧血になっていたのか。医者も、治療が必要なほどじゃないと言うのでひと安心だが、「死ななきゃ治らない」を医学的に優しく言い換えただけなのもわかる。
鉄の男も、長い月日のうちにあちこちサビが浮いてくるらしい。



