When You Wish Upon a Star(星に願いを)

リー・ハーライン(1907-1969)による、ディズニー映画「ピノキオ」の主題歌。ピノキオというより、ディズニー映画、ディズニーランドそのもののテーマと言っていいだろう。誰でも一度は聞いたことのある名曲だ。今までバブリック・ドメインのを名曲を何度か紹介してきたが、作曲者のハーラインの没年で分かる通り、この曲は作曲者の死後50年を経ていないので、まだパブリック・ドメインではない。来年、2019年にそうなる予定だったのだが。

先日、参議院は著作権の権利保持期間を50年から70年に延長する法案を通過させ、年内にも施行される見通しとなった。著作権期限の延長はTPPの重要項目だったが、アメリカがTPPから離脱してしまった。急ぐこともない案件だったはずなのに、今頃急に改定したのが不思議だったのだが、この曲に気づいて「ああ、これか」と思った。

ハリウッドを代表するディズニーの顔とも言えるこの曲が、日本だけとは言え永遠に権利が消失してしまう。その損失は金銭だけではすまないだろう。日本としては、空母まで出してもらった借りもある。何より戦後、「コンバット」や「ローハイド」など、無数のコンテンツを無償で提供してもらっている。その中にはもちろんディズニー作品もあり、我々もそれを見て育ってきた。もともと彼らが努力して価値を高めてきたものを、あまりやきもちさせる前に権利を保護してやったのだから、なかなか紳士的で価値のある忖度だったと言えるかもしれない。
実はこの曲は、来年紹介しようとチェックしてあった曲だった。こういう名曲はパブリック・ドメインになって人類の共有財産になってほしい気持ちもあるが、ミッキーの顔を立てて、21年後まで長生きすることにした。

動画はキース・ジャレット(P)の演奏。ドラムはジャック・ディジョネット、ベースはゲイリー・ピーコックである。いきなり三拍子のイントロが始まったので違う曲かと思ったが、6/8にアレンジした演奏である。

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