さっぽろオンライン雪まつりが閉幕した。期待はしてなかったが、成り行きに興味があったので注目していたのだが、思った以上の盛り上がりのなさ。このご時世で無理もないとはいえ、すがすがしいくらいの討ち死にである。そもそもやってたこと自体知られてなかっただろう。突発的な雪像制作中止を受けて、何かしなければならない人たちだけで、こっそりアリバイ作りをしたというところだ。
ただ、中には意欲的企画もあった。blenderという無料の3DCGソフトを使った、バーチャル雪像の募集である。初心者のために、指導講座も設けたらしいが、アーカイブサイトを見てもそれらしい作品はない。応募自体がなかったのだろう。
3DCGは難しい。全くの素人からはじめてイメージ通りの造形ができるようになるまで、早くても数カ月はかかるのではないだろうか。それを短期間のうちに入門から作品提出までというのは無理もいいところだ。
ただしこの企画によって、blenderをインストールし、勉強を始めた人がいたなら、それは札幌市の人的財産になる。今回の失敗に懲りずに、何度でもバーチャル作品の募集と指導講座を続けるなら、3DCGを札幌市の産業資源にできるかもしれない。ちなみに、こういう3Dソフトのユーザーには、50代60代の人が結構いるような気がする。この世代の人には、PCが普及し、映画などでCGが登場し始めたが、高くて手が出せずにいた人も多い。特に理系の人たちはそうだ。それが無料の3DCGソフトの存在を知って、若き日の夢を叶えている。ネット上で公開される個人の3DCG作品の中に、妙に昭和感のあるものがあるのは、そういうことだろうと思う。