Tea for Two

ヴィンセント・ユーマンス (1898-1946)の作品。1924年にミュージカル曲として発表され、1950年の同名の映画では、ドリス・ディが歌っている。今回は1958年のニューポート・ジャズフェスティバルでのアニタ・オディのステージである。

なんとなく見覚えのある映像だと思ったのだが、どうやら「真夏の夜のジャズ」というドキュメンタリー映画の一部らしい。ずいぶんと若い頃に観たはずなのだが、アニタ・オディについてははっきり記憶してなかった。生意気ざかりの頃だったので、エンターテインメント性がありすぎるように思ったのかもしれない。本編がレンタルにもあるようなので、あらためて観てみようと思う。

その昔は、ジャズメンの顔というのは、レコードジャケットかジャズ専門誌にちょっと写真が出ることがあるくらいで、よくわかっていなかった。Youtubeに古い映像が公開されている現在のほうが、よくわかっているくらいだ。だから、アニタ・オディはこんなに美女だったのか、と驚いた。
歌と美貌の二物を与えられたともいえるが、実はシンガーとして大きなハンデをおっていたらしい。幼少の頃の病気で、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)を切除したせいで、ロングトーンやビブラートが出なかった。そのせいか声はかなりのハスキーで、声量もそれほどない。そこでアニタは、音を短く区切り、「ホーンのように歌う」と言われた独自のスタイルを作り上げたという。
ともあれこの記事を書いたおかげで、ノドチンコは何のためにあるかという、子供時代からの謎が解明した。

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ビオラの時代がやってくる

令和になり、天皇陛下を改めて紹介する報道が増え、陛下がビオラの奏者であることも知られてきた。だからというわけではないが、これからはビオラの時代だ。形はバイオリンとそっくりだが、大きさはかなり大きく、その分音域が低い。この低い音域がちょうど女声歌手やサックスのアルトと同じあたりなので、ポピュラー音楽になじみやすい。

オーケストラではバイオリンの伴奏的な役割をすることが多く、ビオラの名曲や有名奏者も多くはないが、ポピュラー音楽では、バイオリンがその昔に一世を風靡して、ややピークを過ぎた感があるのに比べ、ビオラはこれから。スターが登場するのではないかと思う。
演奏の際は、ビオラのほうがネックが長いので、バイオリンよりも指を広げなければならない。逆にいえばバイオリンは音と音の間が狭すぎるが、ビオラはゆったりしている。邪道な言い方をすれば、バイオリンは正しい位置からちょっとでもずれて押さえても音が狂うが、ビオラはやや許容範囲が広い感じがする。

また、ビオラにはいろいろなサイズがある。バイオリンのサイズは子供の成長に合わせるものだが、ビオラは大人用でも、バイオリンと同じサイズから威風堂々たるサイズまで、幅広い。大きいものが本来の音だと言われているが、我々が手に入れられる価格帯なら、大きさではなく楽器の当たり外れの範囲内だろう。小さいサイズがあるのはそういうニーズがあるからで、そもそも楽器としての標準が決まってないような気がする。

さらにバイオリンにはエレクトリック楽器があるが、ビオラにはない。そのかわり、YAMAHAのYEV105のように、5弦でビオラの音域までカバーしたものが出ていて、このあたりが、これからのポピュラー音楽に大きな役割を果たすのではないかと思う。