「マンガ大賞2023」ノミネート作品

「マンガ大賞2023」ノミネート作品が発表された。が、タイトルすら初めて聞くものばかりだ。どうにも時代とのズレを感じるが、あえてタイトルだけで内容を予想し、答え合わせをしてみた。

あかね噺女の園の星
劇光仮面これ描いて死ね
さよなら絵梨スーパーの裏でヤニ吸うふたり
正反対な君と僕タコピーの原罪
天幕のジャードゥーガル日本三國
光が死んだ夏

以下、本編を一切見ないでタイトルだけから予測。

あかね噺
「噺」とあるので、噺家の漫画と予想。普通の女子高生が「二笑亭あかね」として弟子入りする青春ヒューマンドラマ。毎回、落語の演題にひっかけたエピソードが登場。
正解:桜咲朱音が落語家の真打を目指す物語
(ほぼあたった!)

女の園の星
まず直感的に現代モノだと思う。「女の園」にやや生生しさを感じるので、女子大などではなく水商売では。「星」は主人公のことだろうが、性別不明なので、一流クラブで頑張る男性マネージャーの話と予想。
正解:ある女子高校の国語教師先生と、その生徒たちによる日常を描く作品。
(だいぶ違った)

劇光仮面
劇、すなわち昭和から今日までのさまざまなドラマのヒーローをミックスさせた、ギリギリな感じ主人公が登場。スクーターに乗り2丁拳銃をぶっぱなし、変身して巨大化。ボールに閉じ込めた実寸大の怪獣をバラまいて戦う。
正解:アルバイトで暮らす29歳の青年が、大学生時代の昭和特撮関係サークル「特美研」の仲間の訃報を機に、特撮とは何だったのかをつきつめてゆく。
(ちょっとだけかすった感じ)

これ描いて死ね
きつい言葉を使ってるものは、得てして脆弱なテーマの場合が多い。「美大予備校に通う主人公の青春」という気もするが、ここはあえてグラフィティ(落書き)に命をかける異端アーチストの話としておこう。
正解:漫画を読むのが大好きな高校1年の女の子が、作品を生み出す苦しみや歓びを余さず描く漫画浪漫成長譚。
(だいぶ違った)

さよなら絵梨
さて、普通すぎて困った。主人公は男だろう。ヒロインの死で終わる悲恋モノと予想するのは芸がないので、稀代の悪女絵梨に復讐する男の話としておこう。
正解:重病で入院中の母から、自分が死ぬまで映像化するよう頼まれた主人公。その後、病院が謎の爆発。それを作品として発表し、周囲から批判を浴びながら、唯一共感してくれた少女絵梨とともに、映画づくりを続ける。
(?、ギャグではないようだが、理解を超えている)

スーパーの裏でヤニ吸うふたり
中年男が二人という絵柄がすぐ思い浮かぶ。これが中高生が主人公の学園モノならなかなかの問題作なのだが。「スーパーの裏」を言葉通りにとって、物流や流通業の裏側を描いたビジネスものにしておこう。
正解:スーパー勤務の中年男が主人公。勤務時間中に、女子店員と裏口でタバコを吸う話。
(業界の裏側ではなく、タイトルまんまだった。)

正反対な君と僕
ボーイミーツガール物だろうが、「正反対」とは性格ではなく名前と予想。小林伯方(こばやしはかた)君と高橋矢場子(たかはしやばこ)嬢の出会いの物語。
正解:空気を読んじゃう元気女子・鈴木と、自分の意見をはっきり言える物静か男子・谷くんによる、共感マックスの等身大ラブコメ
(当たるはずはないと思っていたが)

タコピーの原罪
ギャクマンガだろうが、「タコピー」の軽薄さと「原罪」の重さがなかなか良い対比なので、ただのナンセンスものではないだろう。そこで、動画サイトの人気アバター「タコピー」の話と予想。AIとの触れ込みだが、実際は人間が対応。アニメ化、キャラクター商品化の進む中、舞台裏がバレて..というちょい社会派漫画なのでは。
正解:地球にハッピーを広めるため来訪したハッピー星人タコピーは、小学4年生の女子児童久世しずかに窮地を救われた礼として、様々な「ハッピー道具」で少女の問題を解決する。
(〇〇えもんか?と思ったが絵柄は暗いので、シリアスな問題を扱ってるのかも)

天幕のジャードゥーガル
わからない単語は人名と決めつけよう。「天幕」を検索したい気持ちをぐっと抑えて、戦陣にかけまわす幕のこととする。ビザンチン帝国の若き英雄ジャードゥーガルを描いた戦記物と予想。
正解:モンゴル帝国の捕虜となり後宮仕えになったイラン人少女の物語。
(やはり歴史物だったが、ジャードゥーガルは人名ではなく、私の思ってた幕は陣幕だ。天幕にもう少しこだわれば、モンゴルまで当たったかも)

日本三國
三國志リスペクトか。シリアスなポリティカル・サスペンスと予想。外交・防衛政策の失敗から、それぞれ米中露の勢力下に分断された日本。北海道、本州、九州・四国・沖縄の各地域が、泥沼の戦いを繰り広げる…。イヤな話だなあ。せめて主人公は講和と再生をめざす科学者あたりにしておこう。
正解:世界核戦争後の難民の流入、ウイルスの猛威や大震災、悪政、重税に飢饉などによる暴力革命で日本政府は崩壊。文明は明治時代初期レベルまで落ちた上に大和、武凰、聖夷の3つの国に分裂した時代。主人公による日本再統一の物語。
(いい線いってたんじゃないか!)

光が死んだ夏
人名のひかるなのかライトなのかと考え、ここは両方にかけていると予想。温暖化が深刻化した地球最後の希望であった、遺伝子操作により高温環境への耐性を手に入れた光少年も死に、人類は薄暗い地下都市に移住を余儀なくされる。
正解:高校生の主人公は、幼なじみの光がある日別のナニカにすり替わっていたことに気づいてしまう。様々な事件が起こっていき...。
(ミステリーらしい)

2 thoughts on “「マンガ大賞2023」ノミネート作品

  • 1月 30, 2023 at 07:46
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    書店に並ぶマンガ本は数知れず、読む気が起きませんが、表紙絵で興味を持つ場合もありますね。歴史ものも沢山並んでいますが、果たして?漫画と割り切れるかどうか。ですね。ところでタイトルだけでの予測とは難題ですね。でも当たっている物もあったりで面白いですね。小説も漫画もストーリーには意外性が求められますから、多分、タイトル時点でも、かなりひねっているのでしょうから分かりづらいでしょうね。でも面白かったです。

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    • 1月 30, 2023 at 10:52
      Permalink

      大賞ノミネート作ですから、どれも相応の人気があるのでしょうし、なるべくジャンルの違うものをとりまぜてノミネートしたのだろうと思います。タイトルから、年寄にも時代が見えてくるのではと思ったのですが、けっこう悩みました。面白かったですけど。

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