アル・デンテ

昭和の話だが、ある日突然のように料理番組などで、スパゲティの茹で方は芯を残した「アル・デンテ」が正しいと言い始めた。それまでのスパゲティといえば、茹で置きの麺をケチャップで炒める軽食喫茶風か、茹でてミートソースを乗せて出すものが多く、ふにゃふにゃだった。歯ごたえのある麺は悪くはないが、白い部分の残った断面を見せて説明されると、消化によくなさそうな感じである。江戸っ子がソバの先端だけつゆにつけて食べるのと同様な、イタリアのローカル・ルールかと思っていた。

だが、イタリアの料理動画を見ると、ソースの中に実に大量の茹で汁を入れている。その中にスパゲティを入れてからの時間も長い。水と一緒にソースの味を吸い込ませるので、アル・デンテに茹であげても、仕上げは結局芯のない常識的な硬さになる。だからイタリアでは、茹で上げたものにソースを乗せただけの、いわゆる「スパゲティ・ミートソース」式のメニューもない。
ちなみに、動画でやっているような、オイルと茹で汁の水分、含まれている僅かなデンプン質を、熱を加えながら混ぜて乳化させる技術は、昔は日本では知られてなかった。正直、それをやってどれくらい味が変わったか、よくわからない。

※イタリア語なので、自動翻訳するとわけがわからないことを言ってる部分も多いが、そのへんは異国情緒ということで。また、動画中で紹介されるURLは、音声を字幕化したものなので正確ではなく、警告が出る。この人のレシピ紹介サイトを見たい場合は、Casa Papagallo へ。

2 thoughts on “アル・デンテ

  • 1月 21, 2022 at 15:38
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    ごっついオジサンが器用に料理をこなしていますね。スパゲッティはパスタを8分程茹でてソースを掛けていましたが、こんなに簡単そうなら、この方法も試してみたくなりました。イタリアは何でもニンニクとオリーブオイルですね。しかしこんなにオリーブオイルを入れたりゆで汁を何度も加えたりする方法は初めて見ました。美味そうに食べていましたが調味料は一切入れていないようでしたが唐辛子だけで一体?どんな味なんでしょうかね?

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    • 1月 21, 2022 at 16:26
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      相当茹で汁を入れてますが、イタリアの動画なので、このほうが正しい作り方なのでしょう。日本でいうと、お茶漬けみたいなものかもしれません。目の前で美味しそうに食べられると、こういう単純なもののほうが、かえってお腹が減ってきます。

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