タイトル画像の話 / 反物の柄

造形は簡単に、貼り付ける画像はオリジナルの柄を作った。CGの貼り付け用画像はテキスタイルと同じで、柄を繰り返してもつなぎ目がないように合わせる。たとえばレンガ壁や芝生の地面などは、実際の写真をもとにつながる部分を修正して作る。自然のものを修正するのは大変だが、反物の柄などはかなりいい加減なものでも繰り返して貼り付けるとそれなりのデザインに見えるので楽しい。モチーフがアルファベットだったり、配色がアフリカだったりしても、床に長く流してみると反物の柄に見えなくもない。

こんなことが手軽にできるのも画像処理ソフトがあるからで、昔の人が反物の図案を考えたり型を作るのは大変だったはずだ。以前浅草の印半纏の専門店に、オリジナルの藍染半纏を特注したことがある。本藍染で背中に「漢」の一文字を入れた、なかなか気張ったもので、地紋には「青海波」を使った。「漢」はおとことも読み意味合いが勇ましいだけでなく、八方に伸びる勢いが背中の一文字にふさわしい。お店の人もこれは気が付かなったと褒められ、他の人には使わせない「禁字」にしてくれた。青海波は有名な割にあまり見かけないので選んだが、普通の柄はない上下の区別があるので、仕立てたときに肩になる部分で模様を切り替えるという凝ったものになった。手間がかかる分高くつくので注文が少ないとのことで、職人さんにはむしろよろこでもらえた。

2 thoughts on “タイトル画像の話 / 反物の柄

  • 6月 17, 2024 at 04:34
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    一見、全てが反物に見えました。良く見るとグローバルな柄ですね。日本の反物の柄の青海波文様の発祥は江戸時代中期、塗師(ぬし)青海勘七(せいかいかんしち)が特殊な刷毛で青海波を巧みに描き、青海波文(せいがいはもん)として流行したと言われて居ますね。また、これをアレンジしたバリエーションとして松竹梅文様などとかけ合わせたりと更に多彩ですね。基本は幾重もの同心円の一部を切り取って並べた幾何学文様ですが、何と同類の文様は世界各地にもあったんですね。多少とも、昔にテキスタイルデザインに携わっていた私は、外国向けデザインが主でしたが、当時、日本の伝統柄は殆ど使わず外国の伝統柄ばかりを調べたりしていました。今なら、日本の伝統柄をリゾート・ウエアに仕立てても人気が出るかも知れませんね。

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    • 6月 17, 2024 at 08:34
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      作者の名前まで残ってるとは、伝統文化というのは根強いものですね。外国の文様もすべて意味や伝承があるのでしょう。以前ガーナ人に太鼓の叩き方を習い、同時に装飾品に使われる伝統的な文様と、それぞれの持ってる教訓的な意味を知りました。また、太鼓のリズムとダンス、詞、服装、文様などがすべて合体して大きな意味が生まれるようです。よく考えれば、日本の伝統芸能もすべてそうですね。海外と同じ意匠といえば、寺とナチスのマークですね。方や長い歴史があり、方やほんの一時期のものなのに、知名度が違いすぎて寺の方はなんとなく肩身が狭い感じです。

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