以前にも登場した、コール・ポーター(1891-1964)の作曲。演奏は、これが本コーナー初めての登場となる、オスカー・ピーターソンである。スウィングやラグタイム時代のピアノを思わせる、明るくて、切れ目なく沢山の音を紡ぎ出すテクニカルな演奏で、日本でも人気が高い。ジャズ界きっての超絶技巧派、88鍵をすべて使い切りミスタッチのない完璧な演奏など、この人の評価はテクニックにかかわるものが多いが、私はむしろ気取りのなさやリラックス感など、カナダ人らしい人柄の良さを感じる。82年に脳梗塞で倒れた後、リハビリで復帰。07年に82歳でなくなってる。このあたりの経緯はよく知らなかった。来日回数も多く、アルバムと印象が変わらない安定したステージを見せてくれる人だった。