バレンタインスペシャル / 君の名は。

バレンタインデーにちなんで、このブログの読者は多分見てないと思うが、気にはなっているであろう「君の名は。」を見た。広告関係者として一見の価値ありなので、レンタルに降りてきたらと思っていた。が、大変なヒットになってしまい、いつになるかわからなかったので。「結婚したくなる映画」というレビュー記事があったことも気になっていた。はたして何か新しいトレンドが生まれたかどうか。

新海作品の特色は、背景画像の美しさだ。それも、駅のホームや雑居ビルの立ち並ぶ街角、ごく普通の住宅地の家並みなど、本来それほど美しくはないはずの光景に、丹念に光の装飾加えて、夢のような光景に仕上げる。
恋人ができたり、入試に合格したり、大金が手に入ったりというような、人生の幸福の絶頂には、アドレナリンが湧き出し瞳孔が開いて、いつもの風景もこんな風に見える。その瞬間を再現してみせたような背景である。日常生活に直結している分だけ、世界自然遺産やマハラジャの宮殿よりずっと良い舞台装置だ。その中でなら、どんな商品もさぞ魅力的に見えるだろう。

わざわざ見に行く気のない人のためにざっくりいうと、同じ監督による以下のCMがこの映画のエッセンスだと思っても良いだろう。

親の経済力の差が子供の学歴の差になると言われている時代に、通信教育だけで、離島の少女と都会のアルバイト少年が東大に合格するばかりか、恋人までできてしまう。普通はそんなCMを流せば噴飯モノだが、新海ワールドの中なら、それもアリかなという気になってしまう。聞き取りやすい日本語の曲が前面に出るという、PVやCM的な手法も、映画と同じだ。

我々世代向きの作品ではないのでオススメというほどではないが、映像のヒーリング効果はなかなかのものである。ネタばれせずに書けるのはこんなところなので、そのうち内容について書くかもしれない。

 

5 thoughts on “バレンタインスペシャル / 君の名は。

  • 2月 15, 2017 at 07:30
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    CM嫌いでしたか。ネットの検索エンジンは広告で成り立ってますが、これを自動的に排除するプラグインがあります。当然メディアなどは、そうはさせじとキャンペーンを張ってます。この辺はかなり熱い話題なので、そのうちまとめて文化塾に投稿しますね。

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  • 2月 15, 2017 at 06:25
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    CMも,タレントよりアニメの方が綺麗ですね。実写とタレント使用の場合には受け手側の好き嫌いがあったりしますから。その点アニメは最初からイラスト上の人物であったり整理描写された風景ですから余り好き嫌いの感情もなく入っていきやすい特徴がありますね。日常の何でも無い風景もディフォルメされているのでしょうが,アニメーションでは見違えるほどすばらしい描写に変わるのもすばらしいですね。

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  • 2月 14, 2017 at 17:42
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    話は飛びますが,今の娘たちはバレンタインデーをめんどうに思っているみたいですね。「本命チョコ」とか「義理チョコ」とか言って騒いでいるのは,おばちゃんやおじちゃんばかりで,現代っ子たちは,そんな風習を「昭和だよね~!」と一言でかたずけている。チョコレートをもらって勘違いする僕たちとは随分違いますね。でも小学生の孫娘たちは手作りチョコをたくさん作っていましたけどね。

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    • 2月 15, 2017 at 07:25
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      バレンタインデーは”昭和”ですか。びっくりですね。チョコレート業界が聞いたら、気絶してしまいますね。

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  • 2月 14, 2017 at 17:35
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    この映画を僕は見ていませんが,我が家の家内がいち早く目をつけて,娘と孫娘たち4人を引き連れて,封切と同時に鑑賞に行っているので断片的に話だけは聞いていました。家内は流行に飛びつく性格で,いビッグバンの流行が終わればまた次のものを探す始末で,今朝は何と?森進一の息子たちが,全米でも,とんでもない人気になっていると話していた。僕の記憶では,彼はジャニーズの一員と思っていたが?その情報はもう古く,ロックバンドのボーカルらしい。仕事に没頭していると,つい流行遅れになってしまいがちで反省しきりの今日この頃です。

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