明治17年に発表された日本の唱歌で、アメリカの曲らしいが作曲者は不明。卒業式シーズンなので取り上げてみたが、最近は歌わない学校が増えているらしい。
この曲で一番思い出深いのは、1994年、鹿島アントラーズのジーコ選手の現役引退試合のセレモニーである。カールスモーキー石井の独唱に合わせて、スタジアム全員が歌い上げた仰げば尊しは、自分の卒業式以上に感慨深かった。
世界のスーパースターで、ブラジルの英雄、サッカーの神様とも言われ、スタジアムに「偉大なジーコ」の像が立つ。その名声と大臣の地位を投げうって来日し、電車で練習場に通いながらゼロからのサッカーリーグづくりに尽力した。現役時代から監督時代に至るまで、「実際に起こっている現実から判断をせず、現実と乖離する決まり事に従う」という日本人の特質を克服するため、自分で考えることの重要性を教え続けた「師」である。その教えに触れたサッカーファンを皮切りに、次第に日本人全体の意識も変わっていったように思う。
動画は伊丹十三作品「タンポポ」の1シーン。これもまた日本人の外食文化の有り様をも変えた名作。書きたいことはいろいろあるが、またの機会に。