僧侶が座禅を組むとき、お尻の下に敷く楕円体のクッションである。けっこう硬いので、上に乗ると拳ひとつ分位腰が浮き、すっと背骨が伸びて膝や背骨の負担を減らしてくれる。足もしびれない。
これを敷いて座禅を組むのが正しい使い方だが、実は床に座って長時間作業する人にはうってつけの道具なのである。疲れにくいし、疲れたら座蒲を枕に、寝てしまうこともできる。
しかし、もっと便利なのがダラダラと寝ながらテレビを見るとき。硬い枕として使うと首の角度を決めやすいだけでなく、ご贔屓のタレントが出てきたときには、さっとお尻の下に敷いて結跏趺坐すれば、まさに心眼で見るがごとく集中して眺めることができるのだ。
最近はこういうものまでネット上で買えるし、作り方まで見つけることができるが、体重がかかるものだから、高くても法衣仏具店で取り寄せてもらったほうがいいかもしれない。
ちなみに以前禅宗の関係者の前で、ダラダラテレビの話をしたらちょっとイヤな顔をされたので、内緒で使ったほうがいいだろう。
やせ型家族の我が家にも突然変異か?二番目の姉だけが象さんのような巨体でした。お寺の法事に行って皆んな正座したり、男は胡坐をかいたりするのですが、その姉だけは足を前に出さなければ座れません。またその姿勢から立ち上がるのも人手が必要でした。故郷には禅宗の総本山の永平寺もありますが、座禅など最初からムリですから浄土真宗で良かったと思います。
両親が他界して田舎の実家を取り壊すにあたって長男も次男も亡くなったので三男の僕が仏壇を引き取る事になったのですが、何せ東京空襲から逃れて疎開して来た仏壇だけに、あちこち傷んでいて札幌まで送れる状態ではなかったため、坊さんにお祓いしていただき処分しました。札幌で小さな仏壇を購入して同じ派のお坊さんにお願いして魂を入れていただきました。お坊さんが来ると言うので、仏具屋さんから紫色の大きなふっくらした座布団を買って用意しました。お経をあげてもらいましたが、あの座布団だけではさすがのお坊さんも足がしびれたりして駄目だったのでしょうか。それとも座蒲とは座禅を組む時だけに使うものでしょうか。
これは座禅の時だけに使うものです。しかも禅宗の僧侶だけでしょうね。私はごろ寝にも使ってましたが。お坊さんは、足の痛さだけなら畳の上に正座でも大丈夫でしょうから、なんであれ座布団があれば、充分なもてなしだと思います。ちなみにお寺で長時間法要をするときは、お尻の下に、たもとに入るくらいの小さな折りたたみの正座用椅子を敷くことが多いです。長唄でも、三味線、鳴り物の人たちは使ってると言ってました。